仮想通貨のDAICOとは?不正なICOを排除する新しい資金調達方法を詳しく解説!

仮想通貨のDAICOとは?不正なICOを排除する新しい資金調達方法を詳しく解説!

サトシくん XXX(表情名入力)サトシくん

ICOって詐欺も多いって聞くんだけど、何か対策できることってないのかな?

カネット XXX(表情名入力)カネット

もちろん、考えられてイル。代表的なものが、イーサリアムの創設者が提案した「DAICO」だヨ。不正ICOを排除するための新しい資金調達方法なンダ!

ICO(新規仮想通貨公開)が注目を集めていますが、中には悪質な案件も存在しており、仮想通貨の価格に悪影響を与えているケースもあります。

不正ICOを排除するための方法として提案されたのが「DAICO」です。DAICOはこれまでのICOとどのような点が違うのか、メリットとデメリットは何かなどについて説明していきましょう。

新しい資金調達方法DAICOとは?

仮想通貨がらみの詐欺の中でも、ICOに関するものは比較的多い部類に入ります。DAICOはイーサリアム創設者が、不正ICOの排除を目的として提案した仕組みです。

既存のICOの問題点

ICO詐欺が起きる背景としては、ICOによって集めた資金を、個人もしくは単独の法人が好きに使うことができるというシステムそのものの問題点があります。

ICOによって集められた資金は、そのまま個人や法人のもとにすべて届きます。この資金をどう使うかは、個人もしくは法人に一任されているのです。

たとえホワイトペーパーを作成していたとしても、その通りに物事が進むかどうかは資金を持っている個人や法人次第だということです。

極端に言えば、お金を受け取ったあとホワイトペーパーに書かれているロードマップを全く実行しなかったり、お金を持って逃げてしまったりすることも可能です。

実際、ある仮想通貨は運営がお金を持って逃げてしまい、逃亡先で贅沢三昧をしているという噂が流れたことがあります。事実かどうかはともかく、ICOはこのようなことも可能なのです。

もちろん、ロードマップが履行されなければ、発行された仮想通貨の価格は暴落し、持っている人は大損してしまいます。仮想通貨市場にとっても、悪影響を与えかねません。

イーサリアムベースの仮想通貨規格であるERC20が定められて以降、仮想通貨作成のハードルが下がったこともあり、このようなICOに関する問題が頻発しているのが現状なのです。

不正ICOの排除を目指すDAICO

もちろん、このような状況が好ましいわけがありませんので、対策が必要になります。その対策のひとつとして、イーサリアムの創始者であるヴィタリック・ブテリン氏が提唱したのがDAICOです。

DAICOはDAO(自律型分散組織)ICOをかけ合わせた造語で、非中央集権的組織をICOにかかわらせることで不正を防ごうというシステムです。

上に書いたような詐欺まがいのICOの多くは、集めた資金の使途が一個人や法人に委ねられているという中央集権的な仕組みが原因となっています。

仮想通貨は中央集権的な管理者を持っておらず、ビットコインやイーサリアムについても例外ではありません。

しかも、ICOは不特定多数の人からお金を集める仕組みです。ならば、この人たちをICOに何らかの形でかかわらせてしまおうというのがDAICOです。

現在、多くの大企業は株式を市場に上場しており、株式を持っていれば経営に関与することができます。経営陣が暴走したときに、株主としてストップをかけることもできます。

この株式会社の仕組みを念頭に置けば、DAICOは理解しやすいのではないでしょうか。ICOで仮想通貨を購入した「株主」が、ICOの進捗状況などに何らかの形で意見表明するような仕組みがDAICOです。

モナちゃん XXX(表情名入力)モナちゃん

…簡単に言うと、ICOの参加者が「怪しい」って思ったら意見できるのがDAICOってこと?

カネット XXX(表情名入力)カネット

大まかに言うとそうだネ!それに、意見だけでなく調達したお金の使い方をコントロールすることもできるんダ。

サトシくん XXX(表情名入力)サトシくん

それなら、お金を集めるだけ集めて逃げちゃう…なんてことも防げるね!でも、ネット上のやり取りでそんなことできるのかな?

DAICOの特徴と仕組み

重要なことなので繰り返し書きますが、現状のICOの問題点は仮想通貨の開発者が集めたお金をすぐに手にできることにあります。

裏返せば、お金が一気に渡らなければ逃げようがありません。DAICOは出資者が仮想通貨の開発者に渡るお金をコントロールできる仕組みなのです。

DAICOの仕組み

DAICOも「仮想通貨を発行してお金を集める」ということについては、今までのICOと大きく変わりません。ところが、お金を集めてからがこれまでのICOとは違っているのです。

DAICOの場合、集めたお金は一旦プールされます。開発者サイドは、ここからお金を引き出していく仕組みになっています。

ただ、開発者の意思でいくらでも引き出せるわけではありません。1ヶ月あたりに引き出せる上限は決まっているので、全額を引き出して逃げるような真似はできないのです。

この引き出せる上限額は「TAP」という変数によって決められています。TAPの数値が大きいほど、多くのお金が引き出せるようになっています。

「じゃあ、最初からTAPを大きく設定していればたくさん引き出せるんじゃないか?」と考える人もいるでしょうが、TAPの初期値はゼロと決まっているため、その心配はありません。

そして、このTAPの数字は多数の出資者の合意がない限り、上げることはできません。開発者にできることは、TAPの数字を下げることだけです。

それどころか、開発サイドがサボっていると判断されれば、出資者はプロジェクトを止めることすら可能になっています。もちろん、プロジェクトが止まればお金は引き出せません。

そうなると、プールされているお金は使いみちがなくなってしまいますが、心配無用です。なんと、このお金をイーサリアムとして取り戻すことができるのです。

これならば、ICOに出資したにもかかわらず、開発者側のサボタージュによって購入した仮想通貨の価格が暴落しても、リスクは小さくなります。

逆に、開発者側から見れば厳しいシステムです。お金を多く引き出そうと思えば、実現可能な計画をホワイトペーパーに書いたうえで、着実に履行していかなければTAPが上がらないのですから。

DAICOで資金調達を行う手順

実際にDAICOによって資金調達を行う場合、イーサリアムに実装されているスマートコントラクトを利用することになります。

イーサリアムのブロックチェーン上には取引履歴だけではなく、契約内容も記載することが可能です。これによって、契約の履行を自動化するのがスマートコントラクトです。

DAICOを行う場合、ここに「イーサリアムを払うとICOの仮想通貨が発行される」という契約履行の自動化が記載されます。これによって仮想通貨を入手します。

予定数の配布が終了すると、これ以上の仮想通貨の発行ができなくなり、同時に売買が可能な状態となります。初期手続きは、これで完了です。

あとは出資者側によってTAPの数字が決められます。開発者側が順調に計画を履行できていると判断できればTAPの数字を上げますし、場合によってはTAPを下げることもあるでしょう。

TAPの数字の上下については、出資者側の投票によって決められます。多くの人が「良くやっている」と判断すれば、TAPの数字が引き上げられるというわけですね。

サトシくん XXX(表情名入力)サトシくん

出資した側からすれば、せっかくお金を出したのにそれが有効に使われなかったらすっごく悔しいもんね。出資者みんなで開発者を評価する仕組みなんだ!

カネット XXX(表情名入力)カネット

ここで活躍するのが、イーサリアムのスマートコントラクトだネ。契約を自動化して、システム通りの動きしかできないようにしておくことで不正を防止するンダ。

DAICOの問題点と世界初のDAICO案件「ABYSS」

ただ、DAICOにも問題点がないわけではありません。TAPの数字の上下を判断する出資者の内容によっては、不適切な結果が出る可能性があるためです。

このDAICOを最初に採用してICOを行ったアビス(ABYSS)についても、この問題点を悪用しているのではないかという指摘があり、ちょっとした話題になったほどです。

DAICOの問題点

上にも書きましたが、DAICOの場合、引き出せるお金の上限を決めるTAPという数字は出資者の投票によって決められます。問題は、その出資者が公平かどうかです。

DAICOの場合、出資者の制限はありませんので、開発者側も出資することは可能です。このため、出資者の比率が開発者側に偏っているというケースも十分考えられるのです。

この場合、TAPの数字を上げたいという開発者側の意見が通りやすくなります。結果として、投票の公平性が保たれなくなる可能性があります。

また、出資者の公平性が保たれていたとしても、間違った判断を下す可能性があります。出資者の多くが、偽の情報を信じてしまうことなどが、判断ミスの原因です。

例えば、プロジェクトが全く進んでいないにもかかわらず「順調」という偽の情報を流し、TAPを上げさせるということができます。

逆に、プロジェクトが順調に進んでいるにもかかわらず「進んでいない」という情報を流し、TAPを下げさせたり、プロジェクトを中止させることも可能なのです。

アビス(ABYSS)とは

アビスはDAICOを初めて採用した仮想通貨であると同時に、この問題点を悪用した可能性があると指摘された案件でもあり、評価は分かれています。

ロシアのゲーム会社が開発した仮想通貨であるアビスは、ゲーム内通貨として使用するだけでなく、本物のお金と交換することも可能だとしています。

DAICOの採用によって知名度がアップしていたアビスですが、プログラムを読んだ人から「DAICOを損なう仕組みが入っている」と指摘があったのです。

DAICOはプロジェクトが詐欺だと分かったとき、多数決によってお金を返してもらう仕組みが実装されています。この多数決のシステムが不透明だと指摘しているのです。

その指摘の内容によると、アビスには「オラクル」というユーザーが決められており、このオラクルしかお金を返してもらうための投票ができない仕組みになっているというのです。

しかも、このオラクルは開発者側が選ぶもので、その選出基準も不透明です。つまり、オラクルを身内で固めて、お金を引き揚げさせないようにできるのです。これがDAICOを損ねているというわけです。

指摘を受けてアビス側はオラクルに関するプログラムを削除していますが、これが不信感を招いたことは想像に難くありません。現在でもアビスの評価が二分される原因になっていると言えます。

ただ、この件はあくまでもDAICOの悪用が疑われるプログラムを書いたアビス側の問題であって、DAICOそのものの問題というわけではありません。

カネット XXX(表情名入力)カネット

アビスは、DAICOの仕組みを損なっていたことになるんだけド、これがシステム認識の甘さによるものなのか、故意なのかはわからナイ。色々な意見が出ているけど、アビスはDAICOを実装する気がないという印象ダネ…。

モナちゃん XXX(表情名入力)モナちゃん

それなのにDAICO採用を名乗ってしまったら、DAICO自体も疑われかねないわよね。

サトシくん XXX(表情名入力)サトシくん

僕も「ゲーム案件」「DAICO実装」というだけで参加しそうになるけど、自分でしっかりと調べて冷静に判断しないといけないね。

DAICOは不正を排除した健全な資金調達が可能!(まとめ)

イーサリアムがERC20や改良型のERC223を制定するなど、仮想通貨発行のハードルを下げる政策を取っているため、今後も資金調達の手段としてICOが増え続けることが予想されます。

もちろん、その中にはお金を集めて着服してしまうような悪質な案件もあるでしょう。そうした不正なICOを排する仕組みであるDAICOは、今後のICO健全化の鍵を握っています。

現時点ではDAICOにも問題点があります。DAICOを利用したICOに参加した人は、おかしな情報に流されず、TAPについて適切な判断をしていくことが必要だと言えます。