イーサリアム企業連合「EEA」とは?目的や参加企業、取り組みを徹底解説

イーサリアム企業連合「EEA」とは?目的や参加企業、取り組みを徹底解説

カネット XXX(表情名入力)カネット

決済として流通が期待される仮想通貨はビットコインが有名だケド、新しい社会の仕組みを作るものとして期待されるのがイーサリアムだよネ。

サトシくん XXX(表情名入力)サトシくん

スマートコントラクトによる契約の自動化が普及すれば、生活が大きく変わりそうだもんね。

カネット XXX(表情名入力)カネット

そんなイーサリアムは、2017年に「EEA」という企業連合体をスタートさせたンダ。これは、500社を超える有名企業が参加を表明している一大プロジェクトなんだヨ。

マイクロソフト(Microsoft)、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、JPモルガン、トヨタ、ファイザー(Pfizer)…。

世界に名だたる超一流企業が、多数名を連ねる新しいプロジェクトが2017年に始動しました。それが仮想通貨「イーサリアム」を中核にした企業の連合体「EEA」です。

現在多数の企業が続々と参加を表明していて、既に500社を超える勢い。
しかしこのEEAが設立された目的は、今までの大プロジェクトとはちょっと違います。

これだけ多くの巨大企業が参加しているにもかかわらず、全体で何か大きな事をやってやろう、という目的の共同体ではないのです。

それなら何のために作られたのか、ここからEEAの新しい取り組みについて紹介しましょう。

EEA設立の経緯

EEAの正式名称は「Enterprise Ethereum Alliance(エンタープライズ・イーサリアム・アライアンス)」で、直訳すると「イーサリアムによる提携関係を結んだ冒険的な企てや事業」といったところでしょうか。

つまり仮想通貨イーサリアムの技術を使って、さまざまな企業がそれぞれに新たなビジネスの可能性を見つけるための、ゆるやかな企業の連合体のようなものです。

新しいブロックチェーンの必要性

EEAが生まれた背景には、それまでのブロックチェーンが、企業や各種団体のニーズに対応しきれていなかったことがありました。

ブロックチェーンは中央管理者のいない、分散型のシステムです。しかし企業や団体は、取引上の機密性やセキュリティの観点から、管理者を置いたシステムを必要としていました。

こうしたニーズを共に満たせるシステムが開発されれば、非常に優れた新技術であるブロックチェーンを、企業や団体はもっと自由に活用できます。

長く登場が待ち望まれていた新システムは、仮想通貨界で圧倒的なシェアを誇るビットコインではなく、現在第2位の「イーサリアム(Ethereum)」によって生み出されました。

設立には超大手企業が協力

EEAの設立は2017年2月のことで、開発者としてのイーサリアムを中心に、マイクロソフト、JPモルガン、クレディスイスなど、欧米の大手企業30社が参加して行われました。

日本からも同年5月に、三菱東京UFJ銀行やトヨタなど6つの企業が加盟しました。その後加盟する企業は続々と名乗りを挙げ、現在では全世界で500社を超えています。

加盟企業には超一流の大手企業だけではなく、いわゆる「スタートアップ」と呼ばれるベンチャー企業も含まれています。

規模も業種も違う幅広い企業の連合体が、EEAという新しい取り組みの特徴なのです。

サトシくん XXX(表情名入力)サトシくん

マイクロソフトに三菱東京UFJ銀行、トヨタ…世界の名だたる大企業がEEAに加盟しているんだ!

カネット XXX(表情名入力)カネット

金融関係だけに留まらず、幅広いジャンルの企業がEEAへの参加を表明してイル。それだけたくさんの企業がイーサリアムの可能性に期待しているということだネ。

基軸になる技術は「イーサリアム」

EEAは名前に「イーサリアム」が使われている通り、仮想通貨のイーサリアムに係わる技術を軸に、今後の開発が進められる予定です。

それならEEAについて詳しく知る前に、イーサリアムについても概要を理解しておく必要があるでしょう。なぜこのプロジェクトにイーサリアムが選ばれたのか、イーサリアムの特徴と合わせて考えてみましょう。

仮想通貨界でのシェアはNo.2

現在仮想通貨の時価総額でトップを独走しているのは、言わずと知れたビットコインです。ビットコインに続く第2位~第5位の仮想通貨が、これまで順位を入れ替えながら激しいシェア争いを続けてきました。

しかし最近の傾向からすると、第2位にランクされるイーサリアムの時価総額が徐々に増えて、3位以下を引き離しにかかっています。

しかもビットコインとのシェアの差も、少しずつせばまりつつあるのです。これにはEEAなどの、イーサリアムを使った新しい試みも、かなり貢献していることと思われます。

スマートコントラクト

イーサリアムとは仮想通貨そのものも指しますが、本来は「イーサリアム・プロジェクト」というプラットフォームを表しています。

最近良く耳にするプラットフォームとは、簡単に言うと「場」のことで、この場合プロジェクトを推進するための事業基盤と考えてください。

EEAで重視されるのは仮想通貨のイーサリアムよりも、プラットフォームとしてのイーサリアムです。

そのプラットフォームとしてのイーサリアムが持つ、世界中から注目を集める技術が「スマートコントラクト」です。

仮想通貨はブロックチェーンという仕組みを使って、集中型のサーバーを通さずに、分散型の管理システムの下で取引されています。

イーサリアムの取引も、このブロックチェーンをベースにして行われています。詳しくは「ブロックチェーンとは」で説明しています。

しかしイーサリアムは独自のブロックチェーンに、スマートコントラクトの機能を追加した先進的な技術で管理されています。

スマートコントラクトは「契約の自動化」とも表現され、第三者による改ざんが不可能なブロックチェーン技術を使って、各種契約のやりとりを同時に行えるようにしたシステムです。

例えば不動産のように大きな取引の場合、お金のやりとりと同時にさまざまな契約手続きが必要になります。

極めて大まかに言えば、スマートコントラクトならこうした処理を全て同時に行うことができるのです。

スマートコントラクトという技術によって、イーサリアムは他の仮想通貨に比べて、その将来性が高く評価されています。

イーサリアムとスマートコントラクトの詳しい仕組みについては、「イーサリアムの特徴とは?」で説明しています。

EEAとは一体何なのか?

仮想通貨が登場した時から、ブロックチェーンを新しいビジネスに活用する取り組みは始まっていました。

しかし独自のブロックチェーンを持つ仮想通貨には当然互換性はなく、各ブロックチェーンもバラバラに存在しているだけで、複数のブロックチェーンを相互的に使うことは不可能です。

それならば1つのブロックチェーンを軸にして、そこで複数のユーザーが自由にビジネスを創出できるようにしよう、という発想の転換から生まれたのがEEAなのです。

EEA設立の目的は、企業にとっての「場」の提供

イーサリアムが持つスマートコントラクトには、新しい事業を創り出して発展させる大きな可能性があります。

ところがスマートコントラクトが多くの企業に受け入れられるためには、解決しなければならない問題がいくつかありました。

その中でも「各企業のプライバシー」と、「企業間取引の合意の確認方法」「契約上の許可・承認」という大きな問題がネックになり、スマートコントラクトの普及を遅らせていました。

EEAはこうした問題を解消するために設立されました。

スマートコントラクトが持つ問題点を解消した上で、各企業が相互に連携しながら、新しいビジネスを創出する場となることが、EEAが設立された目的なのです。

EEAの活動はまだ発展途上

現在500以上の企業や団体が参加しているEEAですが、意外なことに全体で巨大なプロジェクトを推進するという、積極的な活動をする計画は今のところありません。

どちらかと言えばEEAは、スマートコントラクトという技術を参加企業に公開して、あとは皆さんで自由に使ってくださいという、かなりオープンなプロジェクトなのです。

ただし名だたる超一流企業が注目しているということは、そこに何らかの将来性があるからでしょう。

EEAの中核にあるのは「イーサリアム財団」という非営利団体で、「EE」というイーサリアムをベースにしたブロックチェーン・プラットフォームを参加企業に公開しています。

各企業や団体はこのプラットフォームを利用して、新しいビジネスやアプリケーションを創り出すことになります。

しかし現状ではイーサリアムの技術はまだ完成していないため、EEAの活動は今のところ実用準備段階にあると言って良いでしょう。

イーサリアム財団は現在イーサリアムの開発を加速させながら、参加企業や団体にスマートコントラクトの活用についてのサポートをしています。

カネット XXX(表情名入力)カネット

スマートコントラクトは魅力的だけど、実装しているブロックチェーンはいくつもアル。ただし、それぞれのブロックチェーンには互換性がないンダ。

モナちゃん XXX(表情名入力)モナちゃん

もし、世界中の企業が別々のブロックチェーンを採用しても、互換性がないと使い勝手がよくないわよね…。

カネット XXX(表情名入力)カネット

そこで、イーサリアムのブロックチェーンを基軸としてスマートコントラクトを企業に役立てていこうという思いのもと結成されたのがEEAってワケ。

EEAに参加する企業の取り組み

EEAにはさまざまな業態や業種の企業や団体が参加しています。しかも現在新規の参加者も続々と追加されていて、今後はかなり巨大な連合体になると思われます。

これだけの規模になると、EEAとしては全体的な意思の統一やサポートが非常に難しくなります。

そこでEEAは関連する企業や団体をグループ分けして、それぞれのグループごとにシステムの開発を進めるという方法をとっています。このグループを「ワーキング・グループ」と言います。

EEAのワーキング・グループ

2017年末の時点でEEAへの参加企業や団体の数は500を超え、ワーキング・グループは全部で17に拡張されました。以下に挙げるのが現在設定されているワーキング・グループです。

EEAのワーキング・グループ一覧

・Advertising / Media WG(広告・宣伝)

・Analytics User WG(マーケット分析)

・A.I. and Blockchain User WG(A.I.とブロックチェーン)

・Banking WG(金融・銀行)

・Blockchain Airspace User WG(空域利用ブロックチェーン)

・Communications Protocol WG(データ通信)

・Digital Identity WG(デジタル・アイデンティティ)

・Energy WG(エネルギー)

・Healthcare WG(ヘルスケア)

・Insurance WG(保険)

・Integration and Tools WG(システム統合)

・Legal Industry WG(法律)

・Multiplatform WG(マルチプラットフォーム)

・Quorum Working Group(クォーラム)

・Research & Education Working Group(リサーチ・教育)

・Security User WG(セキュリティ)

・Supply Chain WG(サプライ・チェーン)

ワーキング・グループには今までにない新しい発想も含まれているため、日本語でうまく表現できないグループもあります。それだけ多くの業界から注目を集めているとも言えるでしょう。

こうしたグループに企業や団体が属すことにより、ワーキング・グループ全体でイーサリアムとスマートコントラクトの技術開発が進められています。

EEAの活用事例(海外の事例)

現在のインターネットサービスは、「クラウド」の登場によって飛躍的に進歩しました。そしてブロックチェーン技術は、このクラウドと非常に融合性が高いと言われています。

EEAの設立時からのメンバーであるマイクロソフトは、早い時期からブロックチェーンの可能性に着目していました。

そのマイクロソフトが2018年3月に、自社のサービスへのイーサリアムの先行投入を発表したのです。

マイクロソフトは2010年から、「Azure(アジュール)」というクラウドサービスを開始しています。

Azureはデータ管理やネットワーク管理など、さまざまなサービスをクラウド上で利用できるサービスですが、そこに初めてイーサリアムの技術を投入しました。

この試みがクラウドサービスにどんな変化をもたらすのかは、現段階ではまだ分かりません。しかし再びIT業界での覇権を握ろうとするマイクロソフトにとって、EEAへの参加がかなり重要な戦略であることは間違いないでしょう。

EEAの活用事例(国内の事例)

日本国内ではまだEEAでの取り組みを、実際のビジネスに投入した事例はありません。しかし大手通信会社のKDDIは、実際のサービスの中にスマートコントラクトを導入するための実証実験を始めています。

この実験ではまず、携帯電話の店頭修理申し込みから修理完了までのステップで、業務の効率化が図れるかどうかが検証されます。

具体的には修理の依頼があった時に、修理代金・機種変更価格・中古市場価格などをプログラムが自動的に判別して、顧客との間で自動的に契約や請求・支払いができるサービスの構築が目的です。

契約自動化

引用元:KDDIサイトより

こうしたサービス実験で、イーサリアムとスマートコントラクトとの組み合わせが有効であることが証明されれば、KDDIではさらに幅広いサービスにその利点を広げて行くことでしょう。

同時に同業他社もその動きに同調すると予測されるので、仮想通貨としてのイーサリアムの価値も上がって行く可能性があります。

サトシくん XXX(表情名入力)サトシくん

スマートコントラクトの可能性ってこんなにも多岐に渡るんだね!これは企業としてもいち早く取り入れたいだろうなぁ。

モナちゃん XXX(表情名入力)モナちゃん

スマートコントラクトを取り入れた事業がスタートできれば話題にもなるし、企業イメージもアップするでしょうね。

カネット XXX(表情名入力)カネット

ただ、イーサリアムのスマートコントラクトはまだほとんど実用化されていナイ。それにはある理由があるんダ。

EEAの今後の展望と将来性

ここまで確認してきたところでは、EEAとは非常にオープンでさまざまなビジネス・チャンスを生み出す取り組みだ、ということが理解できたのではないでしょうか。

それなら世界中のトップ企業がEEAでの開発実績を、自社のビジネスに次々と投入しないのはどうしてなのでしょうか?

未完成のイーサリアム

実はイーサリアムはまだ完成したシステムではなく、現在も進化中のシステムなのです。
仮想通貨としてのイーサリアムは、2015年7月に発行されました。デビューしてからのイーサリアムには、大きく4つのアップデートが元々予定として組み込まれていました。

現在までに「Frontier(フロンティア)」「Homestead(ホームステッド)」という2つのアップデートが行われ、今後「Metropolis(メトロポリス)」「Serenity(セレニティ)」という残り2つのアップデートが順次行われる予定です。

仮想通貨のイーサリアムも、過去にハッキングによる盗難被害に遭っています。しかしこれは他の仮想通貨に比べて、イーサリアムのセキュリティ対策が脆弱だという意味ではありません。

イーサリアムのブロックチェーンは、ビットコインや他の仮想通貨のシステムに対して、決して後れをとるものではありません。

しかしスマートコントラクトという、重要な契約までやりとりするシステムであるがゆえに、他の仮想通貨のブロックチェーンよりも、何倍も厳重なセキュリティ対策が必要になるのです。

イーサリアムの今後の進化

遅くとも2018年内には実行されると言われている「メトロポリス」では、主に以下の4項目についてシステムの機能向上が図られます。

  1. セキュリティ対策の強化
  2. プライバシー保護の強化
  3. スマートコントラクトの低コスト化
  4. マイニング方式の変更

セキュリティ対策の強化については、改めて説明する必要もないと思います。さらに契約や他者との取引上で、お互いのプライバシーが外部に漏洩する危険性に関しては、可能な限り排除しなければなりません。

より多くの参加者がEEAを効率的に活用するためにも、システム運用のコスト削減は欠かせません。

そのためメトロポリスでのアップデートでは、スマートコントラクトでのシステムの簡略化により、運用コストの削減と開発コストの削減が同時に進められる予定です。

最後に仮想通貨の発行そのものに係わるシステム変更も予定されています。主要な仮想通貨の発行は、通常「マイニング」という方法で定期的に実施されています。

マイニングにもいくつかの方法があり、今後のメトロポリスでは、今までの「プルーフオブワーク(PoW)」から、「プルーフオブステーク(PoS)」への変更が予定されています。

詳しくは「仮想通貨のマイニングとは?」で説明しています。

EEAの未来予想図

トヨタや三菱東京UFJ銀行などの日系企業は、独立してEEAに参加すると同時に、合同で「スマートコントラクトジャパン株式会社(SCJ)」を設立して、SCJとしてもEEAに参加しています。

今後はSCJに参加する国内企業も増えると思いますが、このように業界の枠を越えた提携の動きは、一体何を意味するのでしょうか?

仮想通貨の登場と同時に、ブロックチェーンという新技術も注目の的となりました。

この技術には新しいビジネスの創出と大幅なコストカットなど、企業にとって何よりも魅力的な可能性が秘められていたからです。

仮想通貨界では圧倒的シェアを誇るビットコインですが、そのブロックチェーンは金融取引に限定されています。

リップルなどの仮想通貨でも、多用途型のブロックチェーンを開発していますが、その機能はあくまでも限定的なものです。

その中でイーサリアムだけは、スマートコントラクトという機能を当初から備えていたために、他の仮想通貨とは一線を画した存在となりました。

現在世界のトップ企業がイーサリアムとEEAに注目しているのは、スマートコントラクトには、未来のビジネスを大きく変える可能性があることに気づいたからです。

マイクロソフトがいち早くEEAでの成果を自社サービスに採用したように、これから多種多様な企業がスマートコントラクトを採り入れるようになるでしょう。

近い将来には現在のサービスに代わって、スマートコントラクトをベースにした新しいサービスが社会の主流になっているかもしれません。

その時に金融取引の中心に位置しているのは、仮想通貨としてのイーサリアムである可能性は、かなり高いと言って良いでしょう。

EEAというこれまでになかった新しい動きが見えてきた今、イーサリアムに投資する最大のチャンスも、そこに見えている気がします。

サトシくん XXX(表情名入力)サトシくん

イーサリアムはアップデートも控えているし、今後ますます多くの企業がEEAに参加することが期待できるね!

モナちゃん XXX(表情名入力)モナちゃん

私たちの生活を大きく変える技術として注目のイーサリアムは、今後の値動きにも期待できるんじゃないかしら。

社会を大きく変える可能性があるEEA

今までの社会の中にもEEAのように、業界の垣根を越えて企業や団体が加盟する組織はいくつか存在しました。

しかし1つのプロジェクトをここまで自由に、オープンに活用できる組織はありませんでした。

EEAの本質は、さまざまな技術やアイデアを持つ専門家が、自由に交流しながらイーサリアムという1本の木の周りに集まって、新しい技術やサービスを創り出すことにあります。

今後ブロックチェーンとスマートコントラクトとが、間違いなく社会の基盤となる時代がやって来るでしょう。
EEAの誕生は、その記念すべき第一歩だと言えるかもしれません。