仮想通貨のインサイダー取引は犯罪にならない?法律による規制や罰則は?

仮想通貨のインサイダー取引は犯罪にならない?法律による規制や罰則は?

サトシくん XXX(表情名入力)サトシくん

今日もTwitterで仮想通貨情報を検索してたんだけど、『インサイダー情報教えます☆』ってアカウントがすごく多いんだよね。でもインサイダー取引って確か犯罪だよね……?

カネット XXX(表情名入力)カネット

インサイダー自体は犯罪だネ。でも、仮想通貨におけるインサイダー取引は犯罪じゃないんだヨ!

モナちゃん XXX(表情名入力)モナちゃん

えっ、つまりインサイダー取引をしまくっても、誰も何も規制はされないってこと?詳しく教えてよ!

株式市場関係のニュースなどで、「インサイダー取引」という言葉を耳したことはありますよね。

「インサイダー」とは特定の組織の内部で、重要事項に触れることができる人を指す言葉です。インサイダー取引とは、こうした内部関係者が情報を意図的に投資の世界で悪用すること。

その結果投資における公平性が崩れることになり、多数の投資家が影響を受けることにもなるため、インサイダー取引には法律によって厳しい罰則規定が設けられています。

では仮想通貨への投資では、インサイダー取引に係わる問題はあるのでしょうか?それは犯罪にもなるのでしょうか?

一般的な金融商品の場合と比較しながら、詳しく確認してみましょう。

インサイダー取引は犯罪なのか?

投資の対象になる金融商品には、証券市場で扱われる「株式」や「債券」、通常「FX」と呼ばれる「外国為替」などがあります。

そこに近年新しく加わったのが「仮想通貨」です。

この中でインサイダー取引が犯罪として扱われるのは、実は株式などの証券取引だけなのです。仮想通貨にはインサイダー取引に関する罰則規定はありません。

これらの間にある違いは何なのか、まずはそこから考えてみましょう。

インサイダー取引の仕組みとは?

はじめに最も一般的な株式投資を例にして、インサイダー取引について確認してみます。

例えばある製薬会社があって、画期的な新薬の発売が極秘に進められていると仮定します。極秘とはいえ、開発関係者や会社幹部などの間では、情報が共有されていることもあるでしょう。こうした立場の人々を「インサイダー」と呼びます。

通常それまでになかった有効な新薬が発売されれば、その製薬会社の株価は上昇します。株価はその会社の業績と連動するので、画期的な新薬発売ともなれば、急激な株価の上昇も期待できます。

問題はここからです。インサイダーの中で新薬の発売時期の情報を得た人物が、事前に自社株を購入したらどうなるでしょうか。

その後新薬の発表と同時に株価が急上昇すれば、この人物は最小限のリスクで最大限の利益を手にできます。

まだ市場が新薬の情報について知らない時点で株を買い、ほぼ確実に値上がりする株式に投資して利益を上げる、これがインサイダー取引です。

犯罪となるインサイダー取引

インサイダー取引は、金融庁と財務省所管の「金融商品取引法」で厳しく規制されていて、違反すると刑事罰の対象となります。

日々の取引は「日本取引所自主規制法人」によってチェックされています。その中で違反の疑いがある取引については、「証券取引等監視委員会(SESC)」が調査をすることになります。

その結果インサイダー取引と認められた場合、違反者に対しては刑事罰と課徴金が課せられるのです。

このようにインサイダー取引に対して厳しい罰則が設けられているのは、こうした取引が広がってしまうと、取引の公平性が著しく損ねられるからです。

金融商品への投資は、全ての人が同じ条件の下で行わなければなりません。一部の投資家による有利な条件下での取引は認められないのです。

その他の金融商品でのインサイダー取引

次に証券取引以外の金融商品について確認してみましょう。ここで扱うのはFXと仮想通貨です。

証券取引と比較して注目すべきところは、取引の公平性です。

FXへの投資では全世界の通貨が対象となるため、特定の情報によって通貨価値が大きく変動することはまず考えられません。

確かに国家的規模での経済状況により、通貨価値が上下することはありますが、それは一個人の活動範囲をはるかに超えています。

そのためある特定の情報によって、限られた立場の人々が取引上有利な条件を得ることも考えにくく、取引の公平性は常に保たれます。つまりFXへの投資では、インサイダー取引が発生しないのです。

現在まだ日本でも、仮想通貨に対する法律上の規定ははっきりしていませんが、政府の見解では仮想通貨は通貨にも有価証券にも該当しません。

当然「金融商品取引法」も適用されないので、仮想通貨への投資でもインサイダー取引は発生しないことになります。

ただし仮想通貨の世界でも、過去にインサイダー取引が疑われた事件がなかったわけではありません。

FXに比べるとまだ非常に規模の小さな市場なので、影響力のある人物が発信した情報により、相場が変動することがあり得るからです。そうした事例については、この後で詳しく見てみましょう。

カネット XXX(表情名入力)カネット

インサイダー取引として取り締まられるのは、『有価証券』か『通貨』のみだヨ。日本国内での法律では、仮想通貨は資産として扱われるからインサイダーに該当すらしないんダ

サトシくん XXX(表情名入力)サトシくん

へぇ……でも、仮想通貨投資がこんなに盛んなのに、インサイダー取引が横行してるってのはあんまりよくないんじゃない?少なくとも実際に投資をしている僕は何だかモヤモヤする……

カネット XXX(表情名入力)カネット

マァマァ落ち着いて……じゃあ次は、実際に仮想通貨界隈で行われたインサイダー取引らしい例を見ていこうカ

仮想通貨でのインサイダー取引疑惑

実は過去に何度か仮想通貨の世界でも、大掛かりなインサイダー取引疑惑が持ち上がったことがあります。その中の一事例を詳しく分析してみます。

疑惑のビットコインキャッシュ

疑惑の発信地となったのは、アメリカに本拠がある大手取引所の「コインベース(Coinbase)」です。

取引された仮想通貨は、ビットコインから分裂した「ビットコインキャッシュ(BCH)」で、2017年末にコインベースが取引を開始したことが騒動の発端になりました。

当時のチャートを見てみると、2017年の12月末にビットコインキャッシュの価格が急騰しています。この急騰は12月20日のことで、コインベースがビットコインキャッシュの取引を開始した日です。

ビットコインキャッシュのチャート(zaif)

引用元:https://zaif.jp/

同じ日付のチャートを日本国内の取引所で見てみても、12月20日の取引で大きく値を上げています。

それまでは1BCHが18万円前後で推移していたものが、この日1日で45万円の手前まで値上がりしました。

確かに影響力のある取引所が取引を開始するというのは、仮想通貨にとってはかなりの追い風になります。

しかしこの時の取引では、コインベースの従業員が情報を漏らしたことが、ビットコインキャッシュの価格急騰につながったのではないかと言われています。

コインベースが失ったもの

コインベースによる疑惑のビットコインキャッシュ取引では、取引開始前に内部から情報が広がったと考えられており、取引開始直後には一転して売り注文が殺到して、取引停止の措置がとられました。

同取引所のCEOは、インサイダー取引の証拠はなかったとの声明を発表した上で、従業員やその周辺人物を調査して、場合によっては解雇や法的措置に訴えることにまで言及しました。

しかし当時の顧客はその対応に満足できず、その後コインベースは顧客側から集団訴訟に持ち込まれ、現在も解決には至っていません。

このようにインサイダー取引には法的な規制はないものの、取引所にとっては何よりも大切な信用を失う結果にもつながりかねません。

では逆に投資する側からインサイダー取引を検証してみると、仮想通貨市場のどのような現状が見えてくるのでしょうか?

インサイダー取引は起こり得るのか?

仮想通貨の世界には、犯罪としてのインサイダー取引という概念はありません。

それどころか驚いたことに、インサイダーからの情報が頻繁に発信されていて、その情報は投資する際の重要な目安にさえなっているのです。

メリットとして見たインサイダー取引

仮想通貨に投資をする時には、ちょっと調べると予想外に多くの情報源が見つかります。その主なものを挙げてみましょう。

☆仮想通貨に関する情報源☆
・仮想通貨ニュースサイト
・仮想通貨開発者のツイッター
・仮想通貨取引所関係者のツイッター
・公式チャット
・仮想通貨取引所のチャット

こうした情報源に関する詳しい説明は、「仮想通貨の情報収集」のページで確認してください。

証券取引の世界ではあり得ないことですが、仮想通貨の世界では通貨を発行する会社や、通貨の開発関係者などからの情報が直接ツイッターやチャットで配信されています。どう考えてもインサイダー取引です。

こうした情報の中には、いつどこの会社が新規の仮想通貨を発行するのか、どの取引所が何の仮想通貨を新たに扱い始めるか、など相場に大きな影響を与えるものも含まれています。

それを上手に活用して相場を見極めることができるのが、仮想通貨に投資する醍醐味であるとも言えます。これこそ仮想通貨でインサイダー取引ができるメリット、と言っても良いでしょう。

ビットコインのように市場シェアが大きくなれば、特定の情報で大きく値動きすることはあまり考えられません。

しかしマイナーな仮想通貨の場合、新規の発行情報などにより一気に高騰や暴落を引き起こすこともあります。

ですから新規通貨にポイントを絞って、インサイダーからの情報を上手く活用しながら、その通貨の公開前に安値で購入し、公開直後に値上がりしたところで売却するという作戦も可能です。

だだしこの方法は、インサイダー取引のデメリットにもなりかねないので、取引経験が少ない皆さんにはおすすめできません。

仮想通貨の取引では、インサイダー以外にも相場に影響力がある人物が世界中にいます。そうした人々の発言内容や相場予測によって、実際に市場が動いてしまうことが良く起こります。

仮想通貨がまだ市場として小さいから起こることなのですが、逆に有益な情報を常にチェックできれば、利益を生むチャンスがあるというのも、仮想通貨の魅力なのかもしれません。

インサイダー取引のデメリット

一方で市場規模が小さくて、新規通貨が続々と発行されている現状では、インサイダー取引が大きな損失につながる危険性もあります。

特に注意が必要なのが、インサイダー情報による価格操作と、インサイダーをかたった詐欺に巻き込まれる危険性です。

比較的マイナーな仮想通貨や新規通貨では、一部の投資家によって価格操作が行われることがあります。一例を挙げてみましょう。

まずインサイダー情報によってその通貨の流動性(取引の動きの活発さ)を下げ、そのタイミングで安値状態にあるその通貨を購入します。

次に別なインサイダー情報でその通貨に対する期待感をあおり、投資家の購買意欲を高めます。買いに走る投資家が増えると、当然その仮想通貨の値段は上昇します。

しかもマイナーな通貨で流動性も低いため、ちょっとした市場の反応で大きく値を上げる可能性があります。

こうして意図的なインサイダー情報によって、その仮想通貨を安値で購入した投資家は、高値になった時点で一転して手持ちの通貨を売却します。

全て相場の先を読んでいるわけですから、タイミングさえ外さなければ確実に利益が転がり込んで来るでしょう。

もう一つ、仮想通貨にはインサイダー取引への規制がないために、さまざまな手口の詐欺が横行するというデメリットもあります。

これも一例を挙げてみると、新しく発行される通貨のインサイダーを装って、巧みに実体のない通貨に投資させるとういもの。

仮想通貨では公開前にICO(プレセール)を行う場合があり、特に仮想通貨の一種であるトークンでは、世界中で頻繁に行われています。

※「仮想通貨とICO」のページにリンク

このICOはかなりの割合が詐欺の手口として使われており、国際的に規制強化の動きが高まっています。

ICOはベンチャー企業の資金調達などに活用されますが、その企業のインサイダー情報として、新規通貨への投資を募ります。

それが実体のある企業なら良いのですが、全体の9割程度は詐欺ではないかと言われています。そうした架空のICOに投資した場合、まず間違いなく投資した資金は戻ってきません。

他にもほとんど知名度のない仮想通貨で、意図的にインサイダー情報を流して購買客を集めた末に、気が付くと通貨そのものが消えているという詐欺も多発しています。

仮想通貨の情報収集に慣れてくると、信用度の高い情報が見分けられるようになってきます。それでも実際には、市場には不正な取引情報があふれています。

インサイダー取引の情報には常にリスクが潜んでいると考えて、安易に信じないように普段から心がけておきましょう。

モナちゃん XXX(表情名入力)モナちゃん

インサイダー取引でズルしようとした人が利用されてどツボにハマるって事もあるのね……。それはそれでちょっと気の毒な気もするわ。ほんのちょっぴりだけど

カネット XXX(表情名入力)カネット

インサイダー情報があります!って教えてくれる人は、まず疑ってかかった方が良いネ。高値で草コインを掴まされてそのままドロンされることも珍しくないカラ

インサイダー取引は規制されるのか?

今後証券取引と同様に、仮想通貨でもインサイダー取引が規制される可能性はあるのでしょうか?

現在世界各国で、仮想通貨に対する規制は強まりつつあります。それらの規制の内容から、今後の動向を展望してみましょう。

取引所は登録制が主流に

いくつかの国々では国内で仮想通貨を扱う取引所に対して、政府機関による登録制を義務化する動きが進んでいます。

日本ではいち早く登録制が施行され、現在仮想通貨取引所は「改正資金決済法」によって金融庁の監督下に置かれています。

この法律で規定されているのは、あくまでも取引所に対する自主管理義務であり、マネーロンダリングへの規制については言及されているものの、インサイダー取引についての規定は見当たりません。

SNS上の規制強化

フェイスブックやツイッターなどのSNSでは、仮想通貨のICOなどに関する宣伝広告を排除する動きが強まっています。

しかしインサイダー情報に関する投稿の規制などは、ほとんど行われてはいないようです。

ICOについてはSNSだけではなく各国政府も警戒感を強めていて、今後は禁止措置などのかなり強い規制が掛けられることと思われます。

インサイダー取引の規制は先送り?

現在仮想通貨については、取引全体に対する法整備が議論されている段階で、大筋がまとまった段階で次に細かい規制が行われるものと思われます。

その時にはまず詐欺やマネーロンダリングなど、犯罪の予防に関する法整備から進められることになるでしょう。

仮想通貨が他の金融商品と同じ扱いになったとしても、FXと同様にインサイダー取引への規制は設けられない可能性もあります。

ただし仮想通貨はFXよりも市場規模が小さく、一部情報による価格の変動が起こりやすいため、場合によってはインサイダー取引に対して何らかの規制が加えられるかもしれません。

カネット XXX(表情名入力)カネット

現在の法律下では、仮想通貨のインサイダー取引は規制されていないケド、今後法律が変わる可能性が高いヨ。何か大きな事件や問題が発生すれば一発だネ

サトシくん XXX(表情名入力)サトシくん

少なくともインサイダー取引詐欺とかはいっぱいあるみたいだし、時間の問題な気もするなぁ。僕としても怖いから早めに取り締まってほしいかも

モナちゃん XXX(表情名入力)モナちゃん

いっぱい規制されるのは窮屈だけど、私たちが安心して仮想通貨取引を楽しむためにも、ぜひとも規制は進んでほしいわね~

今後は仮想通貨のインサイダー取引も規制される可能もある

現状では仮想通貨投資で、インサイダー取引が問題視されることはほとんどありません。

逆に積極的にインサイダー情報を活用して、効率的な取引を展開するのが、仮想通貨投資の世界では当たり前になっています。

しかし市場規模が拡大するにつれて、仮想通貨に対する風当たりも強くなりつつあります。さらにさまざまな犯罪に、仮想通貨が悪用される事例も増えています。

こうした状況を考慮すると、今後は各種の規制が仮想通貨の世界に導入されることは間違いないでしょう。

その時にインサイダー取引にまで規制が広がるかどうかは、今のところ今後の動向を見守るしかなさそうです。