今日は、ネムの将来性について説明していくヨ!
ネムとビットコインはどちらの将来性が高い?それぞれの値動きを比較

カネット
サトシくん
コインチェック事件で名前は知られるようになったけど、どんな特徴があるのかは知らないなぁ。
カネット
事件のせいで悪いイメージがあるかもしれないケド、ネムは高い将来性がある仮想通貨なんだヨ!詳しく見てイコウ!
世界的な知名度を持つビットコイン(BTC)と、日本人が開発にかかわっている仮想通貨のネム(XEM)では、2018年10月時点だと価格も時価総額も大きな開きがあります。
ただ、それぞれの将来性となると、また話は変わってきます。ビットコインとネムの現状と、将来性について調べてみました。
目 次
ネムとビットコインの値動き・時価総額を比較
2018年10月上旬時点では、ビットコインは不振と言われながらも価格は横ばい状態です。一方、ネムの方は下落基調で、あまり元気が良い状態とは言えません。
ビットコインの値動き
ビットコインバブルは弾けたという声もありますが、2018年10月現在は以前ほどの元気はないものの、まだまだ大きな値動きを続けています。
直近3ヶ月間の価格推移を見ると、7月下旬に1BTC=93万円台をつけたあと、短期間で70万円前後まで下落しています。
ただ、ここからがビットコインのしぶとさです。徐々に値を上げていき、9月上旬には82万円台をつけているのです。
直後に急落していますが、再び70万円前後で踏みとどまって少しずつ値を上げ、10月上旬では75万円前後まで上げています。
大きく値を下げたかと思えば再び上昇しているところは、さすが取引量世界一の仮想通貨といったところですね。
ネムの値動き
対してネムの方は、長期間にわたって下落傾向となっています。上のチャートだと7月にピークが来ているように見えますが、価格はそれ以前から下落しています。
直近3ヶ月だと、7月中旬に1XEM=22円台をつけて以降、大きな反発を見せておらず、元気があるとは言えない相場です。
7月下旬に20円を割り込んだあとは徐々に下落し、8月は12円前後をウロウロしています。9月に入って一時14円台まで上がりますが再び下落し、10月上旬時点では11円前後となっています。
これはビットコイン以外の仮想通貨に共通する値動きですが、ネムはかつてほど取引量が日本に偏っておらず、海外での取引量が増加傾向にあるため、今後に注目です。
時価総額を比較
ビットコインの2018年10月上旬現在の時価総額は13兆円で、数ある仮想通貨の中でもダントツです。2位グループのイーサリアムとリップルですら2.6兆円と大きく引き離されています。
では、ネムはどうかというと、時価総額は1,000億円で、ビットコインの100分の1未満です。ただ、これでも仮想通貨全体では20位前後につけているのです。
正直なところ時価総額についてはビットコイン1強で、他はとても追いつけない状況になっているのが現状です。
モナちゃん
時価総額だけで見ると、ビットコインと他の通貨の間には、大きな差が開いているのね…。
カネット
とはいえ、時価総額だけで仮想通貨の価値を判断するのは気が早いヨ。というのも、ネムとビットコインは特徴とか開発目的が全然違うんダ。
ネムとビットコインの特徴を比較
ただ、ネムとビットコインの将来性は価格や時価総額だけでは判断できません。下の表のように、それぞれの仮想通貨は特徴や開発目的が全く違うからです。
ネム(XEM) | ビットコイン(BTC) | |
---|---|---|
開発目的 | 新しい経済圏の創出 | 非中央集権的な決済手段 |
考案者 | Utopian Future | Satoshi Nakamoto |
開発団体 | ネム財団 | なし |
公開年月 | 2015年3月 | 2009年1月 |
コンセンサスアルゴリズム | POI(Proof of Importance) | POW(Proof of Works) |
承認時間 | 約1分 | 約10分 |
半減期 | なし | あり |
発行上限 | 89億9,999万9,999XEM | 2,100万BTC |
ネムとビットコインの大きな違いは開発目的
ネムとビットコインは、そもそも開発目的が違っています。ビットコインはあくまでも中央銀行などに縛られない、新しい決済手段となることが目的です。
これに対し、ネムはイーサリアムなどに似たプラットフォーム型の仮想通貨です。Dapps(分散型アプリケーション)開発の基盤となることで、私たちの生活をより便利で快適にする新しい経済圏の創出を目指しています。
ビットコインは決済用通貨
日本円や米ドルなどの法定通貨は、各国の中央銀行などによって発行されています。このため、中央銀行が政策を誤ると、ハイパーインフレを引き起こすなどの問題があります。
ビットコインは中央集権的な体制の問題点を解消するため、非中央集権的な仕組みを採用しています。たとえ問題のある提案が行われても、他の人間がストップをかけられるようにするためです。
ただ、ビットコインが目指すものは、あくまでも売買に使われる決済手段であって、それ以上ではありません。
ネムはサービス構築用プラットフォーム
これに対して、ネムはブロックチェーン上でDappsを作成するなど、サービス構築用プラットフォームとしての側面が強いのが特徴です。
同じプラットフォーム系仮想通貨としてはイーサリアムが有名ですが、イーサリアムがDapps開発に「ソリディティー」という独自言語が必要なのに対して、ネムは開発言語に縛られないという違いがあります。
こうしたプラットフォームの構築などを通じて、新しい経済圏を作り出すことを目的として公式に掲げられているのです。
サトシくん
へぇ~。ビットコインが決済用通貨なのに対して、ネムはサービス構築用プラットフォームなんだね!…っていうか、サービス構築用プラットフォームって何?
カネット
例えば、会社での台帳管理をよりスムーズにするためのソフトとか、ブロックチェーンを活用したアプリを開発するための基盤ってコト。
モナちゃん
ソフトやプログラムって聞くと難しく聞こえるけど、要は私たちの生活や仕事をより便利で快適にする手助けをしてくれるものってことなのね!
承認方法・通貨の発行方法の違い
ネムとビットコインは承認方法や通貨の発行方法にも違いがあります。コンセンサスアルゴリズム(承認方法)はネムがPOIなのに対し、ビットコインはPOWです。
また、ネムはビットコインと違って上限まで発行されているので、マイニングというものがありません。その代わり、ハーベスティングと呼ばれる仕組みが導入されています。
コンセンサスアルゴリズム
上でも触れましたが、コンセンサスアルゴリズムはネムがPOI、ビットコインがPOWと違うものを採用しています。この2つには、どのような違いがあるのでしょうか。
仮想通貨の送金や決済を行う際には、第三者による承認が必要です。この承認作業はマイニングと呼ばれます。
POWはマイニング量が多い人ほど多くの報酬がもらえる承認方式でが、マイニングに特化したハードウエアを持つ人が有利になるのが問題点です。マイニング用ハードウエアは電力消費量が多いのも問題です。
これに対してネムの承認方式であるPOIは承認作業の量ではなく、ネムでの取引を行った量に比例して報酬が与えられるのが特徴です。
承認時間
ビットコインの取引や送金が増えるにつれて、承認に時間がかかってしまうことが一時、問題となっていました。これはビットコインの承認時間が10分と長めなことも原因のひとつです。
これに対してネムの承認時間は1分程度で、同じ時間内にビットコインの10倍の承認作業を行うことができるようになっているのです。
さらに、ネムは今後「カタパルト」というアップデートを控えており、承認時間がさらに短くなるとされています。カタパルトの詳細については後述します。
マイニングとハーベスティング
ビットコインの発行上限が2,100万BTCであることは上で書きましたが、現時点ですべて発行されているわけではありません。現在でも新たなビットコインが発行されています。
新たに発行するときには、第三者による承認が必要です。新たにビットコインを「採掘」しているというわけで、これがマイニングの語源です。
一方、ネムはすでに上限量が発行されていますので、新たな採掘を行うことはできません。承認作業をマイニングではなくハーベスティング(収穫)と呼んでいるのは、このためです。
ハーベスティングの特徴
ハーベスティングの特徴としては特定のハードウエアが不要なこと、マイニングのように電力コストがかからないことが挙げられます。
また、保有量ではなく取引量の多さで報酬が決まること、コンピューターの電源が入っていなくても参加できることなども、特徴と言っていいでしょう。
特定のハードウエアが不要
現在、ビットコインのマイニングはASICと呼ばれる、特定用途に特化したLSI(集積回路)が搭載されているハードウエアで行うことが主流となっています。
ASIC搭載ハードウエアは、大半がビットメインという中国企業によって作られていることなどが問題視されています。
その点、ネムはこうした特定のハードウエアがなくても承認作業が可能。そのため、特定のメーカーにマイニングを支配されなくなるメリットにつながります。
電力コストがかからない
ASIC搭載ハードウエアの問題点としては、電力消費量が大きいことも挙げられます。マイニング量を増やすために複数のハードウエアを稼働させると、電力消費量が凄まじいことになります。
ネムのハーベスティングは上述のように、ASIC搭載ハードウエアがなくても可能です。電力消費の少ないマシンを使えば、電力コストを大幅に抑えることができるのです。
保有量ではなく取引量の多さで報酬が決まる
ASIC対策としては、コンセンサスアルゴリズムをPOWからPOS(Proof of Stake)に変更することも有効です。たとえば、イーサリアムもPOWからPOSへの移行を予定している仮想通貨のひとつです。
POSは仮想通貨の保有量に比例してマイニング報酬が上がるという仕組み。そのため、報酬を得るために仮想通貨の利用を控え、流動性が落ちる可能性があります。
その点、ネムのPOIは保有量ではなく、取引量に比例して報酬が決まります。単に大量の仮想通貨を持っている人よりも、頻繁に取引を行っている人の方が優遇されるのです。
こうすることで、使う予定のない仮想通貨を大量に持ち続ける人は減少するでしょう。流動性が低下するというPOSの問題点の解消につながる可能性があるのです。
コンピューターの電源が入っていなくても参加できる
マイニングを行うためには、ハードウエアの電源を立ち上げておく必要があります。消費電力が高いハードウエアを24時間立ち上げておくと、商品電力は凄まじいことになります。
ネムのハーベスティングが、他人のマシンに委任するということが可能です。委任を行えば、自分のマシンは電源をオフにしていても、報酬が入ってくる仕組みになっているのです。
半減期の有無
仮想通貨は一部の例外を除けば、上限量が定められています。そのため、マイニング報酬がずっと同じだと、あっという間に掘り尽くされますので、一定期間ごとに報酬を半分にします。この期間が半減期です。
ネムは既に上限量まで発行されていますので、ハーベスティング報酬を減らす意味がありません。このため、半減期そのものを設けていないのです。
モナちゃん
ネムとビットコインでは、承認方法や通貨の発行方法も全然違うのね。
カネット
一見すると同じ仮想通貨というくくりだけど、詳しく見ていくとそもそもの仕組みから違うのがわかるヨネ。とはいえ、ボクたちが一番気になるのは機能の違いダヨネ。そこをもう少し掘り下げてみようカ!
ネムとビットコインの機能の違い
ネムとビットコインでは、同じブロックチェーンを使っていても、機能は大きく異なっています。決済とプラットフォーム構築という主目的の違いが、機能の違いにも出ているのです。
ブロックチェーンの応用性
ネムのブロックチェーンに用いられている規格を使えば、独自トークンがカンタンに発行できます。また、ブロックチェーンを利用した公証システム「アポスティーユ」も実装されています。
このブロックチェーンの応用性は、ベースとなっているプライベートブロックチェーン「mijin」によるもので、mijinはネム以外への利用も期待されています。
独自トークンの発行
イーサリアムはERC20という規格に準拠すれば、イーサリアムベースのトークンを作成することができます。オーガー(REP)やオミセゴー(OMG)などが有名です。
これと似たようなことがネムでも可能になっており、この規格をモザイクといいます。例えば、コムサ(COMSA)はERC20とモザイクを利用して作られたトークンです。
公証システム「アポスティーユ」
公正証書は法的効力を持っていますので、改ざんすることができないよう、法務大臣に任命された公証人という第三者によって作成されます。
ブロックチェーンには内容の改ざんが極めて難しいという特徴があり、公証との相性は良いとされています。ネムにはブロックチェーンを活用した公証システム「アポスティーユ」が実装されています。
ネムのウォレットであるナノウォレットから利用可能になっており、公証として登録したいワードファイルなどをアップロードするか、テキストを打ち込めばOKです。
もし登録したファイルが後に改ざんされていても、アポスティーユでチェックすれば改ざんが明らかになるというわけですね。
プライベートブロックチェーン「mijin」
こうしたブロックチェーンの応用性は、ネムが採用しているプライベートブロックチェーン「mijin」に由来するものです。
mijinは仮想通貨取引所・ザイフを運営しているテックビューロの開発で、ネム以外でも使用されることを目指して、さまざまな企業に実験環境を提供しています。
2018年4月にはマイクロソフトと提携し、マイクロソフトを通じてmijinが世界的に公開されました。日本以外で活用されるかどうか注目ですね。
ネムとビットコインでできること
ビットコインはあくまでも決済手段であって、ソフト開発などのプラットフォームとなることを想定していません。それだけに、ブロックチェーンに応用性があるとは言えず、用途は限定的です。
これに対してネムは、現時点でもさまざまな場面でブロックチェーン技術を活用することが可能な仕様となっています。今後のアップデート次第では、応用性はさらに広がるでしょう。
サトシくん
ネムのブロックチェーンは、すでに実験的に使われているんだ!
カネット
日立をはじめとした大企業から中小企業まで、国内外300社以上に導入されているヨ。
モナちゃん
ますます多くの企業が導入すれば、当たり前のようにネムの技術が活用されるかもしれないのね。
ネムとビットコインの今後
決済手段であるビットコインの場合、いかに多くの店舗で決済に利用できるようになるかが今後の鍵です。一方、ネムの場合は「カタパルト」という大型アップデートがポイントとなりそうです。
ビットコイン決済の拡大
ビットコインで決済が可能な店舗は徐々に増えつつありますが、2018年8月10日現在では国内だと十店舗259件、通販73件にすぎません。
クレジットカード対応店舗の数に比べればまだまだですが、裏返せば伸びしろがあるということにもなります。今後どこまで伸びるかが、将来性につながってくるでしょう。
そのためにはまず、決済スピードのアップが必要です。現在、実装が検討されているライトニングネットワークが、鍵を握っているといえます。
なお、ライトニングネットワークについて詳しくは「ビットコインの未来を変える『ライトニングネットワーク』とは?仕組みやメリットを解説
」で説明しています。
ネムのアップデート「カタパルト」
ネムのブロックチェーンであるmijinは、カタパルトという大型アップデートが行われました。このカタパルトが、いつネムに実装されるかがポイントとなります。
スマートコントラクトが実装可能に
スマートコントラクトとは決済と同時に契約が自動的に履行される仕組みで、イーサリアムに実装されています。カタパルトでは、このスマートコントラクトが実装可能になっています。
信用できない相手との取引であっても、スマートコントラクトを利用すれば、決済に伴う契約は確実に履行されます。契約不履行といった事態は起きないのです。
例えば、信用できない相手だと、お金を払っても商品が届く保証はありません。スマートコントラクトを利用すれば、どのような相手でも購入した商品が確実に入手できるといった具合です。
送金スピードが格段に向上
ネムの問題点のひとつは、ブロック生成速度が速くても、秒間トランザクションが2と速くないことです。つまり、1秒間に2つの決済しか承認できないのです。
カタパルトが実装されれば、秒間トランザクションは4,000ほどになるとされています。これは、送金スピードが速いことで知られるリップル(XRP)の1,500を上回っています。
将来性に期待できる通貨に投資しよう
ネムとビットコインの開発目的が違う以上、その将来性の鍵となるポイントも違います。どちらに将来性があるかは、それらのポイントが実現するタイミングにかかっています。
いくら魅力的な新機能であっても、実装が遅れると将来性に悪影響が出ます。今後の新機能実装やアップデートを注視し、将来性が期待できる方に投資しましょう。
モナちゃん
なるほど。特徴も開発目的も全然違うから、それぞれ別の分野で将来性が期待されているってわけね。
カネット
そうダネ。特にネムは「カタパルト」も控えているし、今後一気に注目が集まる可能性がアル。それらの点を考えながら、投資する通貨を決めヨウ!
ネムとビットコインは開発目的と利用分野が違う!(まとめ)
ネムとビットコインは開発目的も違えば利用分野も全く違い、仮想通貨であること以外に共通点を探す方が難しいぐらいです。
いずれも新機能やアップデートが将来性の鍵を握っています。ネムやビットコインへの投資を検討しているなら、今後どのタイミングで新機能が実装されるのかなどをチェックしておきましょう。