サイドチェーンとは?仮想通貨の機能を拡大する仕組みやデメリットを解説

サイドチェーンとは?仮想通貨の機能を拡大する仕組みやデメリットを解説

カネット XXX(表情名入力)カネット

仮想通貨のブロックチェーンにはたくさんの可能性があるけど、今日説明する「サイドチェーン」という新技術を使えばさらに可能性が広がると考えられてイルヨ。

サトシくん XXX(表情名入力)サトシくん

なになに?サイドチェーン?サイドって横とかそばって意味だよね?

カネット XXX(表情名入力)カネット

ソウ!サイドチェーンはメインのブロックチェーンの横でいろんな実験に役立つサポートをする技術なんダ!

仮想通貨に欠かせない技術といえばブロックチェーンですが、改ざんがしにくいというメリットの一方で、技術的実験には向かないというデメリットを持っています。

実験的要素を実装してうまくいかなかった場合、改ざんのしにくさが裏目に出て「なかったこと」にしてしまうのが極めて難しいのです。

ただ、ビットコインをはじめとする仮想通貨の発展には、技術的実験も必要です。この技術的実験を行いやすくする新技術が、サイドチェーンなのです。

サイドチェーンは仮想通貨を発展させる技術

上にも書きましたように、サイドチェーンは技術的実験をやりやすくすることで、仮想通貨の発展につながる技術です。

ブロックチェーンに実装することに懸念のある技術であっても、サイドチェーンに実装して実験すれば、あとで「なかったこと」にできるからです。

そして、サイドチェーンを利用すれば、特定の仮想通貨をベースとした新しい仮想通貨を作ることも可能。

では、サイドチェーンはどのような仕組みで技術的実験を「なかったこと」にしたり、新しい仮想通貨を発行することができるのでしょうか。その仕組みについて説明しましょう。

サイドチェーンとは

サイドチェーンとはメインとなるブロックチェーンとは関係なく、別のブロックチェーンを作る仕組みです。図にするとこのような感じになります。

サイドチェーンとは

引用元:blockchain-wiki

2014年にブロックストリームという会社がサイドチェーンに関する概念を発表し、16年にはサイドチェーンについて特許を取得しています。

真ん中の黒い矢印は「双方向ペグ」と呼ばれるもので、メインのブロックチェーンとサイドチェーンとは互いに情報をやり取りできる仕組みになっているのです。

実験的機能をメインのブロックチェーンではなく、サイドチェーンの方に実装しておけば、不都合があった場合でもサイドチェーンを外せば「なかったこと」にできるというわけです。

また、双方向ペグのメリットとしては、サイドチェーンを使って作られた新たな仮想通貨を、元の仮想通貨に戻せるというものがあります。

ある仮想通貨をベースにして、実験的要素を含む仮想通貨をサイドチェーンによって新たに作成した場合、仮にその仮想通貨がダメになっても元の仮想通貨に戻せるようになっているのです。

特定の仮想通貨を元にして別の仮想通貨を作成した例としては、ビットコインベースのカウンターパーティー(XCP)が挙げられます。

カウンターパーティーの場合はビットコインから作成することはできても、カウンターパーティーをビットコインに戻すようなことはできません。

ところがサイドチェーンを利用して作られた仮想通貨ならば、その仮想通貨の元となった仮想通貨に戻せるようになっているというわけです。

モナちゃん XXX(表情名入力)モナちゃん

ようは、サイドチェーンなら失敗してもやり直しがきくってこと?

カネット XXX(表情名入力)カネット

そういうことダネ。技術的実験はトライ&エラーが大切なことが多いから、何度もやり直しができるサイドチェーンは技術の発展に大きく貢献すると言ってもイイ。

モナちゃん XXX(表情名入力)モナちゃん

サイドチェーンってすごい技術なのね!でも、具体的にはどんなことができるのかしら?

サイドチェーンでできること

サイドチェーンによってできることとしては、ハッキング被害の軽減、処理スピードの向上によるスケーラビリティーなどが挙げられます。

また、スマートコントラクトをはじめとする新しい機能の拡張も可能で、上で述べたように独自通貨の発行もできるのです。

ハッキング被害の軽減

実験的要素の導入には、どうしても脆弱性の問題が付きまといます。その典型的な例がThe DAOの失敗だと言えます。

The DAOは新たな仮想通貨を作る際に、元となったイーサリアムのブロックチェーン上に新機能を実装したため、ハッキング後の対応が遅くなり、被害が拡大してしまいました。

新機能をメインとなるブロックチェーンに実装していると、脆弱性が見つかったときにはブロックチェーンそのものの修正が必要で、どうしても時間がかかるためです。

もし実験的な新機能をサイドチェーン上に実装していれば、ハッキングされるような脆弱性が発見されても、サイドチェーンを切り離すだけで対処が可能になります。

これによって、たとえハッキングを受けてもスピーディーに対処することができますので、被害を抑えられるという仕組みになっているのです。

処理スピードの向上・スケーラビリティー問題の解決

ビットコインのような初期に開発された仮想通貨は、どうしても処理スピードの問題が付きまといます。この問題が露呈したのが、送ったお金がなかなか届かないというスケーラビリティー問題です。

ただ、問題を解決するために新機能をメインのブロックチェーン上に実装することは、どうしてもコミュニティー内をまとめることが難しくなります。

ビットコインの場合も処理スピードを速くするためにセグウィット(Segwit)の導入を提案したところ反対意見が噴出し、最終的にはビットコインキャッシュに分裂してしまいました。

これはブロックチェーンの書き換えが難しく、新機能に問題が出たときに「なかったこと」にするのが難しいという問題から来ています。

処理スピードの向上につながる技術をサイドチェーン上に実装すれば、問題があっても取り外すことが容易なので、コミュニティーの賛同を得やすくなり、スケーラビリティー問題の解決につながるのです。

実際にビットコインの場合、処理スピードの向上につながる新技術・ライトニングネットワークの実装はサイドチェーンを利用して行われる予定となっています。

スマートコントラクトの実装

イーサリアムの機能のひとつに、金銭の決済に伴う契約の履行を自動化する「スマートコントラクト」と呼ばれるものがあります。

現時点でビットコインなど、スマートコントラクトを実装していない仮想通貨は多いですが、メインのブロックチェーン上にスマートコントラクトを実装するかどうかは難しい問題です。

上で述べたThe DAOの場合、ハッキング被害に遭った仮想通貨はイーサリアムのスマートコントラクトを利用して作られたものです。

元となったイーサリアムそのものにセキュリティー上の欠陥がなくても、スマートコントラクトの機能で欠陥が付け加えられてしまったというわけです。

このようなリスクのあるスマートコントラクトについて、メインのブロックチェーンへの実装をためらう意見があることも不自然ではありません。

サイドチェーンを利用してスマートコントラクトを実装すれば、問題が起きたときに機能を切り離すことが可能となるため、コミュニティーの賛同が得られやすくなります。

実際、ビットコインにもサイドチェーンを利用してスマートコントラクトを実装する計画があります。これについては後述します。

新しい機能の拡張

このように、問題を起こす可能性がゼロではない新機能を実装する際に、サイドチェーンを利用すれば万が一のときでも切り離しやすいので、実装に賛同が得られやすいのです。

実装の結果、問題がなければ新機能をそのまま使用し続けばいいというわけで、新機能による拡張がやりやすくなります。これが仮想通貨の発展につながるのは、上で説明した通りです。

独自通貨の発行

上でも少し触れましたが、サイドチェーンを利用すれば、ある仮想通貨から別の仮想通貨を作ることが可能です。ビットコインにサイドチェーンを付加し、新たな仮想通貨を作るといった感じです。

もちろん、メインのブロックチェーンを書き換えて新たな仮想通貨を作ることもできます。ただ、この場合、新たな仮想通貨を元の仮想通貨に戻すことは不可能です。

もし新たな仮想通貨に何らかの問題が起き、取引ができなくなっても、元の仮想通貨には戻せないため無価値になりかねません。

サイドチェーンを利用して作られた仮想通貨ならば、万が一のときには上でも触れたように元の仮想通貨に戻すことができます。

元のブロックチェーンに手を入れていませんので、サイドチェーンを外せば元のブロックチェーンが復活し、元の仮想通貨に戻る仕組みになっているからです。

サトシくん XXX(表情名入力)サトシくん

サイドチェーンがハッキング被害の軽減や処理スピードのアップに役立つだけじゃなくって、独自通貨まで作れるってすごいよね。

モナちゃん XXX(表情名入力)モナちゃん

しかも、失敗したらもとの仮想通貨に戻せるっていうのも魅力的よね。

カネット XXX(表情名入力)カネット

ただ、サイドチェーンには良いことだけではナイ。デメリットもあるから確認してオコウ。

サイドチェーンのデメリットと問題点

このように一見、良いことずくめのサイドチェーンですが、ハッキング被害をゼロにすることはできないという問題点は残っています。

また、マイニングの偏りが起きる可能性もあります。この偏りを利用して「51%攻撃」を起こすなどの不正行為を行えば、安全性低下のリスクを抱えることになります。

ハッキング被害をゼロにはできない

ハッキングについては、サイドチェーンを切り離すことで早期に対処し、被害そのものを減らすことはできます。ただ、被害をゼロにすることは、残念ながらできません。

あくまでもハッキングによる被害件数は減るというだけで、被害そのものは出ます。そして、被害に遭ったときに失ったお金を取り戻すことができない点については、これまでと何の変わりもありません。

マイニングの偏りによる安全性の低下

サイドチェーンを利用することでマイニングが偏り、安全性の低下につながる危険性もあります。メインのブロックチェーンとサイドチェーンのどちらのマイニングを行うかが、偏る可能性があるのです。

サイドチェーン側のセキュリティーに問題があると、51%攻撃などによってサイドチェーンが不正に書き換えられてしまう危険性があります。

上で説明した双方向ペグも、サイドチェーンの内容がメインのブロックチェーンに影響を与える可能性があるとされており、サイドチェーンへの攻撃がメインの側に影響を与えることも考えられます。

この問題の解決策として提示されているのが、マージマイニングです。これはメインのブロックチェーンとサイドチェーンが同時にマイニングできるようになることで、偏りを是正するものです。

サイドチェーンを生かした仮想通貨

サイドチェーンを生かした主な仮想通貨としてはリスク(LSK)やポアネットワーク(POA)が挙げられます。特にリスクは日本国内の仮想通貨取引所で購入が可能になっています。

また、既存の仮想通貨ではビットコインのライトニングネットワークや、イーサリアムのプラズマなどが、サイドチェーンを生かす形での導入が予定されています。

リスク(LSK)

リスクはJavaScriptによって開発されている仮想通貨で、スマートコントラクトを実装しているほか、Dappsと呼ばれるアプリケーションの開発ベースとなることも可能です。

イーサリアムでもDappsの開発は可能ですが、メインのブロックチェーン上に構築されるという問題点があります。また、開発言語がSolidityという特殊なもので、敷居は高めです。

リスクのサイドチェーンは、このDappsの開発で生かされます。リスクはDappsをメインのブロックチェーン上ではなく、サイドチェーンに構築するのです。

このため、もしDappsに何らかの脆弱性が発見され、ハッキングのリスクがあったとしても、サイドチェーンを切り離して対処することが可能です。

また、上にも書きましたように、リスクはJavaScriptという一般的な言語で開発されていますので、イーサリアムのDappsと比較して敷居は低くなります。

リスクは2017年に1LSK=16円前後から2,500円台まで上昇しましたが、その後下落し、2018年8月上旬現在では400円台となっています。

ただ、国内でビットフライヤーが取り扱っているため、比較的扱う機会が多い仮想通貨であることに変わりはありません。今後の価格の動向に注意が必要です。

ポアネットワーク(POA)

イーサリアムベースの仮想通貨のひとつで、ERC20に準拠しています。承認スピードのアップを目指し、POA(Proof of Authority)という仕組みを採用しています。

POAは身元がはっきりしている特定の人物や組織のみに承認を行わせることで、51%攻撃などのブロックチェーンの改ざんを防ぐシステムだとされています。

実はこのポアネットワークそのものが、イーサリアムのサイドチェーンを利用して作られた仮想通貨なのです。サイドチェーンによる仮想通貨作成の実例だと言えます。

ポアネットワークは日本の仮想通貨取引所では扱っておらず、Binanceをはじめとする中国系取引所での取り扱いが中心です。

最近になって、海外の取引所に日本人を締め出す動きが出ています。Binanceも現時点では日本人の取引はOKですが、将来的には不透明なところがあります。

ビットコインのライトニングネットワーク

上にも書きましたように、ビットコインの取引スピードを高めるために、サイドチェーンを使って実装が予定されているのがライトニングネットワークです。

ビットコインは現状、手数料が少ない取引は承認が後回しにされがちです。つまり、少額取引はなかなか承認されないのです。ライトニングネットワークは、この少額取引を対象としたものです。

ライトニングネットワークは、少額取引をブロックチェーンから切り離した「オフチェーン」の形で行うことを可能にするものです。

実装されれば、少額取引はマイニングによって承認されなくても行えますので、スピードは速くなります。また、マイナーも実入りが少ない少額取引を行わなくてもすむようになります。

イーサリアムのプラズマ

イーサリアムのスケーラビリティー問題も、ユーザーの増加につれて大きくなり、ビットコインを笑えるような状態ではなくなってきつつあります。

このスケーラビリティー問題解決のためにサイドチェーンを利用したのが「プラズマ」という技術。プラズマはサイドチェーン側に処理の一部を移すことで、メイン側の負担を減らし、処理スピードを上げるのが狙いです。

プラズマの場合、下の図のようにメインのブロックチェーンの下にサイドチェーンが階層的につながる仕組みになっています。

イーサリアムのプラズマ

引用元:https://zoom-blc.com/

最初のサイドチェーンの負担が大きくなったら、下位に別のサイドチェーンを作って負担を肩代わりしていくことなどを想定しているのです。

サイドチェーンの実用を目指すプロジェクト

サイドチェーンの実用性を目指すプロジェクトとしてはリキッド(Liquid)とルートストック(Rootstock)があります。いずれも、ビットコインに関係しているものです。

リキッド(Liquid)

ビットコインのスケーラビリティー問題を解決するための技術ですが、リキッド(Liquid)は仮想通貨取引所間の送金を主な対象としているのが特徴です。

まず、サイドチェーン上にビットコインをためておく箱のようなものを設置します。この箱を取引所間などで共同管理することによって、送金を速くするのです。

取引所間のビットコイン移動には時間がかかっても、リキッドによって設置している箱の中でビットコインを動かすだけなら時間はかかりませんので、送金時間の短縮につながるというわけです。

ルートストック(Rootstock)

ビットコインとイーサリアムの比較で必ず持ち出されるのが「ビットコインにはスマートコントラクトが実装されていない」ということです。

ルートストック(Rootstock)はサイドチェーンを利用して、ビットコインにスマートコントラクトを実装するためのものです。

同時に、ビットコインのスケーラビリティー問題を解決するために、承認スピードを速くする仕組みも入っています。この仕組みを生かすため、上述のマージマイニングを採用しています。

サトシくん XXX(表情名入力)サトシくん

サイドチェーンは仮想通貨だけでなく、たくさんのプロジェクトに実用が進められているんだね。

モナちゃん XXX(表情名入力)モナちゃん

もしも「ビットコインにスマートコントラクトを実装!」なんてニュースが飛び込ん出来たら一気に価格も跳ね上がるでしょうね。

カネット XXX(表情名入力)カネット

それが実現するか否かはサイドチェーンが鍵を握っているといってもイイ。今後の動向に注目しておこウ!

サイドチェーンは仮想通貨の可能性をさらに広げる技術!(まとめ)

サイドチェーンは既存の仮想通貨に新機能を加えたり、新たな仮想通貨を生み出したりするなど、仮想通貨の可能性をさらに広げる新技術と言っていいでしょう。

新機能を加えるためのリスクも、メインのブロックチェーンへの実装よりも小さいので、新技術の開発にも役立つのではないでしょうか。

特にビットコインやイーサリアムのスケーラビリティー問題は話題になることも多いので、サイドチェーンを活用しての早期解決が望まれるところです。