取引所で仮想通貨を買うのも慣れてきたけど、取引所のトップ画面でいつもおびただしく動いてる数字って何なんだろう……?
仮想通貨の取引所と販売所の違いとは?損しないためのポイントを解説!

サトシくん
モナちゃん
あ~ら!サトシくんもやっとこさ取引所と販売所の違いに興味が出てきたのかしら?
サトシくん
取引所と販売所の違い……!?仮想通貨取引所は仮想通貨取引所でしかないよね?
カネット
どの取引所も取引所と販売所の違いについて説明してないからネ……混乱するのも無理はないヨ!じゃあサトシくんにはボクが説明してあげるネ!
仮想通貨の取引方法には取引所と販売所の2種類があり、取引方法や手数料、取扱通貨の種類などに違いがあります。
それぞれにメリット、デメリットがあるため、違いを理解しないまま取引を始めてしまうと、余計なお金を支払うことになり、後悔することになるかもしれません。
そのため、実際に仮想通貨の取引を行う前に、取引所と販売所の違いを知っておくことが大切なのです。今回は、仮想通貨の取引所と販売所の違い、そして、それぞれのメリット、デメリットなどについても詳しくお伝えします。
取引所と販売所の違いとは?
仮想通貨は「bitFlyer」「Coincheck」「Zaif」などの仮想通貨交換所(仮想通貨取引所とも呼ばれる)で取引できますが、その中に取引所、販売所という2種類の取引方法があるのです。
まずは取引所と販売所の違いについて、確認していきましょう。
取引所とは
ビットコイン取引所は、ビットコインを買いたい人と売りたい人が取引する場所(プラットホーム)です。取引所での取引はオークション形式が採用されており、買い手と売り手にそれぞれ売買価格を提示してもらい、オーダーブック(板)が形成されています。
取引所とは、仮想通貨を買いたい人と売りたい人が取引をする場所のこと。株式投資やFX(外国為替証拠金取引)の経験がある人はイメージしやすいかもしれません。取引所では、買い手は数量と購入希望価格を提示し、売り手は数量と売却希望価格を提示します。
そして、両者の数量と価格が一致すれば、取引が成立する仕組みです。つまり、仮想通貨の取引所は、買い手と売り手を仲介する場所なのです。仲介すると言っても、実際は売りたい需要と買いたい需要だけで取引が決まるため、誰と売買しているのかはわかりません。
価格と数量のみで取引が成立するのが、取引所の特徴です。
販売所とは
一方、仮想通貨の販売所とは、仮想通貨を直接売買できる場所のこと。具体的には「bitFlyer」「Coincheck」「zaif」などの仮想通貨交換所から、日本円で直接ビットコインなどの仮想通貨を購入できるのです。
販売所の仕組みは、海外旅行に行くときに日本円をドルなどの外貨に両替するのと同じ。ビットコインなどの仮想通貨と日本円との交換レートが提示されているので、その価格で確実にコインの売買ができるのです。
また、取引所とは違い、仮想通貨交換所から直接購入できる安心感もあるでしょう。しかし、購入価格(円で仮想通貨を購入する)と売却価格(仮想通貨を円に交換する)のスプレッド(価格差)が大きいデメリットもあるのです。
取引所と販売所の違い
取引所 | 販売所 | |
---|---|---|
取引方法 | 別のユーザーと売買 | 交換所と直接売買 |
手数料 | 安い | 高い |
取扱通貨種類 | 少ない | 多い |
取引のしやすさ | 初心者には少し難しい | 初心者でも簡単 |
取引所と販売所の違いを取引方法、手数料、取扱通貨種類、取引のしやすさから比較したのが上記の表です。大きな違いは「仮想通貨を誰と売買するか」にありますが、特徴の違いからそれぞれにメリット、デメリットがあるのです。
そのため、仮想通貨を取引するときは、状況によって取引所と販売所を使い分ける必要があります。どのように使い分ければよいかを理解するため、次項以降で取引方法、手数料、取扱通貨種類、取引のしやすさの違いについて詳しく説明していきます。
サトシくん
取引所を運営する会社と取引するのが販売所、ユーザー同士で売り買いするのが取引所なんだね!
カネット
その通リ!最近は全部まとめて『取引所』って呼んでるコトが多いから要注意だヨ
モナちゃん
サトシくんは今まで指定した金額や数量の注文が入ってたでしょ?それは全部販売所から買ってたってことよ
サトシくん
なるほど。全部自分の思い通りに注文できるのは販売所なんだね!
取引方法の違い
取引所と販売所では取引方法に違いがあります。ここでは、それぞれの取引方法について詳しく説明します。
取引所の取引方法
取引所では、指値注文(maker)と成行注文(taker)の2種類の注文方法があります。
指値注文は数量と金額を指定して注文するのが特徴で、makerには板に注文を出して値段を作る人という意味があります。
上の図は「Zaif」の取引所で、ビットコインと円の取引チャートです。右側の現物買いで「指値」を選択し、希望する1BTCの価格と買いたい量を入力すると、約定代金が日本円で自動計算されるのです。
今回は1BTCの価格を1,640,000円、買いたい量を0.01BTCと入力すると、約定代金が16,400円と自動計算されるので、あとは「買い注文」をクリックすれば発注されます。
しかし、指値注文の場合はすぐに取引が成立するわけではなく、まずは上図左側の売買注文の買い気配に反映されます。
取引所では売買の需要によって取引されるので、仮想通貨を購入する場合は、発注した価格、数量で売ってくれる人がいれば取引が成立する仕組みなのです。
そのため、うまくいけば自分が希望する価格で買えますが、必ず買えるとは限らないため、初心者の方には購入価格の判断が難しいデメリットもあります。
一方、成行注文は数量だけを指定して注文するため、すぐに取引が成立するのが特徴。takerには板に存在する注文を取っていく人という意味があります。
指値注文では、買いたい価格と数量を指定する必要がありますが、成行注文の場合は上図のように買いたい量だけを入力すると、価格と約定代金が自動計算され、買い注文をクリックするとすぐに取引が成立するのです。
その時の価格ですぐに購入できるので、すぐに売買を成立させたい人は成行注文を活用するとよいでしょう。
販売所の取引方法
販売所は「bitFlyer」「Coincheck」「Zaif」などの仮想通貨交換所と、直接売買を行う取引方法。登録した交換所に日本円を入金すればすぐに購入でき、取引相手が見えているので安心感もあります。
上図は「Zaif」の簡単売買の画面ですが、購入価格と売却価格が提示されているので、買いたい(売りたい)数量を入力して「買う(売る)」をクリックすれば、すぐに売買が成立するのです。
販売所の取引名称は交換所によって異なり、「ビットコイン販売所」「ビットコインを買う」「簡単売買」などのように表示されています。購入(売却)価格が提示され、数量を選ぶだけで売買できるので、取引所よりも販売所のほうが簡単に取引できるのです。
サトシくん
さしね?なりゆき?わかりにくいね……
カネット
販売所取引に慣れてるとちょっとややこしいかもネ。まずは買いたい数量と、1枚の単価何円で買いたいかを入力してみようカ
サトシくん
じゃあ試しに0.001BTCを入力して……あっ、約定代金が10000円って出たよ!これで買い注文をポチッとな
カネット
これで指値注文が完了したネ。成行注文は、金額を考慮せずに自分が指定した数量の仮想通貨が購入できるヨ!
手数料の違い
取引所と販売所では、手数料にどのような違いあるのでしょうか。ここでは、取引所と販売所それぞれの手数料について確認していきましょう。
取引所の手数料
取引所の手数料は交換所によって違いはあるものの、多くは0%~0.15%程度と安く、中にはマイナス(取引をすると仮想通貨がもらえる)の交換所もあるのです。
上図は「Zaif」の取引所(主要通貨)の手数料ですが、BTC/JPY(ビットコインと円)の数字がマイナスになっています。つまり、maker(指値注文)なら取引額の0.05%、taker(成行注文)なら0.01%がもらえるのです。
他の交換所でもmaker、takerごとに取引手数料が設定されていますが、どの交換所も取引手数料は安く抑えられているのが特徴です。
販売所の手数料
販売所の場合、ほとんどの交換所で売買手数料が無料です。上図は「bitFlyer」の手数料表ですが、やはり販売所の手数料は無料になっています。しかし、販売所で取引するときには、購入価格と売却価格の差(スプレッド)に注目する必要があるのです。
上図は「bitFlyer」のビットコイン販売所の画面で、購入価格と売却価格に差があるのが確認できます。購入価格の1,719,669は1BTCの購入価格で、もし1BTCを購入する場合は1,719,669円支払うことになります。
一方、売却価格の1,678,519は1BTCの売却価格で、保有する1BTCを売却する場合は、1,678,519円で売ることになるのです。この1,719,669円-1,678,519円=41,150円の価格差(スプレッド)は手数料に相当し、仮想通貨交換所の利益になります。
実際はもっと小さな単位(0.01BTCなど)で購入できるため、購入単位が小さければ支払う手数料も少額になりますが、取引所に比べると非常に割高なのです。
取引所では、購入価格と売却価格の仲値付近で取引されており、仮想通貨は販売所よりも取引所のほうが安く買えて、高く売れるのです。このように、販売所の取引手数料は無料と記載されていても、実質手数料がかかることを理解しておきましょう。
サトシくん
販売所って手数料そんなに高かったんだ……ちょっと損した気分かも……
カネット
サトシくんはまだあんまり仮想通貨買ってないから、そこまで気にしなくていいと思うヨ。でも、頻繁に仮想通貨を買う人は、販売所だと手数料がもったいないから注意しようネ!
取扱通貨種類の違い
取引所と販売所では、取扱通貨の種類にも違いがあり、販売所でしか取り扱いのない通貨、取引所でしか取り扱いのない通貨があるのです。
ここでは、取扱通貨種類の違いについて詳しく説明します。
取引所の取扱通貨種類
主要交換所のうち「bitFlyer」「Coincheck」では、取引所で売買できるのはビットコインのみです。しかし、「Zaif」の取引所は取扱通貨の種類が多く、ビットコインの他にイーサリアム、ネム、ビットコインキャッシュ、モナコインが売買できます(上図参照)。
仮想通貨交換所によって違いはありますが、全体的に取引所での取扱通貨種類は多くありません。そのため、アルトコイン(ビットコイン以外の通貨)を取引所で売買したいときは、どの交換所がどんな通貨を扱っているかを確認する必要があるのです。
販売所の取扱通貨種類
主要交換所の販売所のうち、取扱通貨の種類が最も豊富なのが「Coincheck」。上図にあるように、13種類もの仮想通貨を売買できるのです。また、「bitFlyer」ではイーサリアム、イーサリアムクラッシック、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、モナコインの5種類を取り扱っています。
しかし、取引所では多くの通貨が取引できる「Zaif」は、販売所ではビットコインとモナコインしか扱われていません。このように、交換所によって違いはあるものの、全体的には販売所のほうが、取扱通貨の種類は豊富です。
サトシくん
取引所でやり取りできる仮想通貨って限られているんだね……うーん、それを考えると販売所も悪くないよね?
カネット
ウン。日本円から直接アルトコインを買いたい人は、販売所がピッタリだヨ
モナちゃん
ちなみに……ビットコインを取引所で買って、そのビットコインを海外取引所に送金して、海外の取引所で草コインを買う人もいるわ。これはちょっと上級者向けだけどね~
取引のしやすさの違い
取引所と販売所を比べると、初心者の方には販売所のほうが取引がしやすいでしょう。
取引所の注文方法には指値注文、成行注文の2種類があり、チャートや板など、投資経験がない初心者の方には馴染みがない画面があるので、少し難しいと感じるかもしれません。
しかし、販売所の場合は購入価格と売却価格が示されているだけなのでわかりやすく、数量を選ぶだけで簡単に売買できるのです。とはいえ、取引所の成行注文も販売所の取引と大きな違いはなく、数量を入力するだけで注文できます。
販売所のほうがわかりやすいですが、操作できそうなら取引所で成行注文するほうが安い価格で購入できるでしょう。
サトシくん
まずは販売所で仮想通貨を買うことに慣れて、その後は取引所で注文するようにしたら良いんだね
カネット
ウン。でも日本通貨でアルトコインを買いたい人は、無理して取引所注文を通さなくてもいいと思うヨ
モナちゃん
取引所で注文出す人って、ある程度まとまった金額でやり取りしてるからね~。最低でも1万は用意しておいた方が良いと思うわよ
取引所は手数料、販売所は買いやすさがメリット
ここまで、取引方法や手数料、取扱通貨種類、取引のしやすさなど、取引所と販売所の違いについて確認してきました。
仮想通貨交換所によっても違いはあるものの、取引所は手数料、販売所は買いやすさがメリットです。そのため、仮想通貨を取引するときは、何を優先するかによって取引所と販売所を使い分けるとよいでしょう。
最初は販売所で少し購入し、慣れてきたら取引所を利用するのもひとつの方法。取引所と販売所それぞれのメリット、デメリットを理解したうえで、自分に合った方法で仮想通貨の取引を始めましょう。