仮想通貨がハードフォークすると、コインの所有者にタダで配られることがアル。これをハードフォーク配布というンダ。
ハードフォーク配布を行う仮想通貨取引所!今までの対応や今後の可能性は?

カネット
サトシくん
へぇ~タダでもらえるなんて嬉しいなぁ!
カネット
喜ぶのは早いヨ!ハードフォーク配布についての対応は取引所によって違うから、しっかり理解してオイテ!
仮想通貨のハードフォークが行われて新たな仮想通貨ができるときに、仮想通貨取引所によっては新通貨が配布されることがあります。
国内外の仮想通貨取引所は、これまでどのような形でハードフォークに対応してきたのでしょうか。また、今後のハードフォークに対しては、どのように対応していくとみられているのでしょうか。
目 次
ハードフォーク配布とは?
仮想通貨のハードフォークには、新たな仮想通貨ができるものと、できないものがあります。新たな仮想通貨ができるとき、元となった仮想通貨の所持者に新通貨が配布されるのが、ハードフォーク配布です。
なお、ハードフォークについて詳しくは「仮想通貨のハードフォークとは?ハードフォークのメリットや問題点を徹底解説!」で説明しています。
これまでにハードフォークした主な仮想通貨
ハードフォークで誕生した仮想通貨のうち主なものとしては、ビットコインキャッシュ、ビットコインゴールド、ビットコインダイヤモンド、ビットコインSegwit2Xなどがあります。
ビットコインキャッシュ
セグウィット(Segwit)導入をめぐるビットコイン陣営の分裂によって生まれた仮想通貨です。2017年8月1日にハードフォークが行われ、ブロックサイズが8MBに拡大されました。
ビットコインゴールド
ハードフォークは2017年10月24日に行われました。ビットコインのマイニングで猛威を振るっているASIC(特殊用途向け集積回路)への耐性が実装されています。
ビットコインダイヤモンド
2017年11月24日にハードフォークが行われました。ブロックサイズの拡大、ASIC耐性の実装に加え、最大発行数が2億1,000万とビットコインの10倍となっています。
ビットコインSegwit2X
ビットコインで採用が無期延期となったセグウィット2Xを実装しているのが特徴です。ハードフォークは2017年12月28日に行われました。
仮想通貨取引所ごとのハードフォーク配布実績
上記の4つのハードフォークに対して、国内外の仮想通貨取引所は配布を行っているのでしょうか。主な取引所の実績としては、以下の表のようになります。
取引所 | ビットコインキャッシュ | ビットコインゴールド | ビットコインダイヤモンド | ビットコインSegwit2X |
---|---|---|---|---|
ザイフ | ○ | ✕ | ✕ | ✕ |
ビットバンク | ○ | ✕ | ✕ | ✕ |
ビットポイント | ○ | ✕ | ✕ | ✕ |
コインエクスチェンジ | ○ | ✕ | ✕ | ✕ |
GMOコイン | ○ | ✕ | ✕ | ✕ |
ビットフライヤー | ○ | ✕ | ✕ | ✕ |
バイナンス | ○ | ○ | ○ | ○ |
国内の取引所はビットコインキャッシュの配布は行ったものの、それ以外については対応しておらず、取引も行われていないようです。
一方、バイナンスをはじめとする海外の取引所は、基本的にハードフォークが行われた際には新通貨の配布を行っています。
モナちゃん
ビットコインキャッシュ以降は国内の取引所でハードフォーク配布が行われていないのね。
カネット
そうなんダ。ハードフォークすれば全ての取引所で配布が行われるわけじゃないから注意シヨウ!
ハードフォーク配布の現状
上の表からも分かるように、ハードフォーク配布については国内の仮想通貨取引所では期待薄です。これは、金融庁の規制が関係しています。
一方、海外の取引所ではハードフォーク配布を積極的に行っていますが、金融庁の警告の影響で日本人を締め出す動きが出始めているのが懸念材料です。
国内取引所の現状
ビットコインキャッシュ以降、日本の仮想通貨取引所においてハードフォーク配布が行われていないのは、金融庁が原因だとされています。
ハードフォーク配布を行うためには金融庁の認可が必要ですが、この認可が下りないのが原因だとみられているのです。
このため、今後もハードフォーク配布が行われない可能性は高いとみていいでしょう。日本の取引所だけを利用している限りでは、ハードフォーク配布の恩恵にあずかれないかもしれません。
海外取引所の現状
これに対して、海外の取引所は日本の金融庁の規制を受けていないので、ハードフォーク配布に関しても制限がありません。
そのため、ハードフォーク配布の恩恵にあずかろうとするならば、バイナンスをはじめとする海外の取引所を利用する以外に選択肢はないのです。
ただ問題は、金融庁が海外の取引所に対して再三にわたって警告を行っていることです。このため、HitBTCやKuCoinのように、日本人が口座を開設できなくなった取引所も出てきています。
現時点ではバイナンスやHuobiは日本語ページを削除したものの、日本人の口座開設そのものは可能になっています。ただ、これもいつ不可能になるか分からないのが現状なのです。
カネット
金融庁の規制によって、国内取引所はハードフォーク配布に対して厳しい姿勢を取ってイル。
サトシくん
かといって、海外取引所も日本人の利用が難しい現状なんだね…。利用できる取引所を慎重に選ばないと…。
カネット
ただ、ハードフォーク配布は全てが取引所を通して行われるわけではないヨ。エアドロップによる配布もあるンダ。
エアドロップによるハードフォーク配布
仮想通貨のハードフォーク配布の中には、取引所を介さずに行われるものもあります。これをエアドロップといいます。
エアドロップについて詳しくは「仮想通貨がタダでもらえる「エアドロップ(Airdrop)」とは?メリットや注意点を解説」で説明しています。
これまでにさまざまな仮想通貨のエアドロップが行われていますが、最近ではイーサリアムクラシックのハードフォークアップデートに伴う「カリスト」の件が有名です。
代表的なエアドロップによるハードフォーク配布
上で挙げたビットコインキャッシュやビットコインゴールドなどは、取引所での配布だけでなく、エアドロップも行われています。
2018年3月5日にはイーサリアムクラシックのハードフォークに伴う「カリスト」、4月30日にはモネロのハードフォークに伴う「モネロV」のエアドロップが行われています。
新通貨「カリスト」のエアドロップ配布
イーサリアムクラシック(ETC)のハードフォークに伴って行われたカリスト(CLO)のエアドロップについて、もう少し詳しく説明しましょう。
方法は、エアドロップが行われることがアナウンスされていたウォレットである「クラシックイーサウォレット」「クラシックマスク」のどちらかにイーサリアムクラシックを入れておくだけです。
あとはハードフォークが行われる時期(今回は2018年3月5日)以降に、1ETC当たり1CLOがエアドロップされます。
ハードフォーク配布への対応
ハードフォーク配布は、タダで仮想通貨を入手できるチャンスです。まず、いつ行われるかなど、事前に情報収集をしておきましょう。
配布条件を確認したうえで、実施を発表している取引所に仮想通貨を送るか、エアドロップが行われるウォレットを準備しておくことも必要です。
情報を集める
ハードフォークの予定日についてはあらかじめ公表されていますので、さまざまなサイトを利用して実施予定日の情報を集めていきましょう。
上で例に挙げた4件のハードフォークは全て、5ヶ月の間に行われています。ハードフォークは思っているよりも頻繁に実施されているのです。
情報収集が不十分だと、ハードフォーク予定日の日程を把握しきれず、配布を逃してしまうことになりかねません。可能な限り新しい情報を収集していきましょう。
配布条件を確認
上でも触れていますが、ハードフォーク配布は行われる取引所と行われない取引所があります。そのためハードフォーク配布を受けるためには、配布が行われる取引所に口座を開設し、仮想通貨を預けておく必要があります。
また、ウォレットについても対応となる仮想通貨を預けておくことでエアドロップが行われます。確実に新仮想通貨を手にするためには、こうした配布条件を確認することが必要となります。
配布実施を発表している取引所へ通貨を送る
ハードフォーク配布によって仮想通貨を手に入れるためには、配布が行われる取引所に対象となる仮想通貨を預けておかなければなりません。
配布は預けている仮想通貨の量に比例して行われます。つまり、預けている仮想通貨が多ければ、より多くのハードフォーク配布が行われることになります。
仮想通貨売買に複数の取引所を利用している人もいるでしょうが、ハードフォークの実施が近づいてきたら、配布が行われる取引所に仮想通貨を集めておくといいでしょう。
そのためには、ある程度の時間的余裕を持って通貨を送っておく必要があります。取引所や仮想通貨によっては、送金の反映に時間がかかる可能性が否定できないためです。
また、仮想通貨は送金ミスをすると、失われてしまうこともあります。送金時にはアドレスを間違えるなどのミスをしないよう、最新の注意を払いましょう。
なお、仮想通貨の送金について詳しくは「仮想通貨を送金する仕組みとは?かかる時間や手数料、注意点を詳しく解説!」で説明しています。
ウォレットの準備
取引所だけに仮想通貨を預けておくと、ハッキング被害に遭ったときに資産を全て奪われてしまうという可能性があります。エアドロップが行われる予定のウォレットにも、仮想通貨を分散して置いておきましょう。
可能であれば、エアドロップが行われるとアナウンスされているウォレットに集めておきましょう。そのウォレットを持っていなければ、開設する必要があります。
モナちゃん
現状では規制が厳しいけど、タダで仮想通貨がもらえるのは魅力的よね。エアドロップの可能性もあるから、準備しておいて損はないかも!
カネット
ただ、焦って送金ミスしたりしないように、情報を集めながら余裕を持って行おうネ!それに、他にも注意点があるから確認しておいテ!
ハードフォーク配布の注意点
ハードフォーク配布に当たって注意すべき点は2つです。情報は随時更新されていることと、ハードフォーク前後には相場が変わりやすいということです。
情報は随時更新される
ハードフォークに関する情報は随時更新されており、予定日が変わっているケースや、ハードフォークそのものが行われなくなるケースもあります。
例えば、上に挙げたビットコインSegwit2Xは、当初は2017年11月にハードフォークが行われる予定でしたが、12月に変更となっています。
こうした情報は、随時更新されています。また、詐欺案件や誤報も多いので、さまざまなサイトから新しく信用できる情報を集めていくようにしましょう。
ハードフォーク前後は相場が変わりやすい
ハードフォーク前後は、対象となる仮想通貨の相場が変わりやすいとされています。ハードフォーク当日に下落し、その後価格が上がるのが一般的です。
ビットコインキャッシュやビットコインゴールドのハードフォーク時にも、当日は価格が下落し、すぐに上昇に転じているといった具合です。
ハードフォークがほとんど価格に影響を与えないケースもありますが、価格変動に注意しておいて損はないでしょう。
カネット
ハードフォークは相場にも影響が出る可能性が高いヨ。配布があるないに関わらず、ハードフォークに関してアンテナを張っておくことで利益につながるかもしれないンダ。
サトシくん
そっかぁ。上昇トレンドにうまく乗れた上に、タダで仮想通貨がもらえたら、一石二鳥だよね!
ハードフォーク配布を実施する取引所をうまく利用しよう!(まとめ)
ハードフォーク配布は、タダで仮想通貨を入手することができる大きなチャンスです。とはいえ、日本の取引所で行われる可能性は低いので、海外の取引所をうまく使うことがポイントになります。
さまざまなサイトを回って情報収集を行い、詐欺案件でないことを確認したうえで、配布が行われる取引所やウォレットに仮想通貨へ送金などの準備をしておきましょう。