仮想通貨が有価証券に分類される?された場合の価格への影響と規制内容とは

仮想通貨が有価証券に分類される?された場合の価格への影響と規制内容とは

カネット XXX(表情名入力)カネット

仮想通貨への法整備が進められている中で、ひとつ気になる話題があるンダ。有価証券って聞いたことあるカナ?

モナちゃん XXX(表情名入力)モナちゃん

有価証券って確か…株式とかの財産を表す証書のことよね?

カネット XXX(表情名入力)カネット

その通リ。実は、仮想通貨が有価証券に分類される可能性があるんダヨ。

証券取引所で扱われている会社の株式などは「有価証券」として取り扱われています。現時点では仮想通貨は有価証券として扱われていませんが、将来的に有価証券になる可能性はゼロではありません。

そもそも有価証券とはどういうものなのか、仮想通貨が有価証券となることでどのようなメリット・デメリットがあるのかなどについて、説明していきましょう。

仮想通貨の法律上の扱いは?有価証券化されるの?

仮想通貨の有価証券化は現在、金融庁でも検討が進められており、近い将来に何らかの方針が示される可能性があります。

では、そもそも有価証券とはどのようなものなのでしょうか。また、仮想通貨は現在、法的にどのような取り扱いになっているのでしょうか。

有価証券とは?

有価証券とは、特定の財産を持っていることを示している証書のことです。有価証券を譲渡または売却すれば、その財産を譲渡または売却することになります。

厳密には小切手なども有価証券なのですが、一般的に有価証券と呼ばれているものは、金融商品取引法によって定められているものです。主なものは以下に挙げる通りです。

  • 国債
  • 地方債
  • 社債
  • 株式
  • 投資信託証券
  • 貸付信託証券

例えば国債は、国に対してお金を貸していることを示す証書。この国債を他人に譲渡または売却することで、貸主としての権利も別の人に譲渡もしくは売却することになるのです。

現時点では仮想通貨は有価証券ではない

2017年4月に施行された仮想通貨法では、仮想通貨は通貨のような支払手段の一種として認められていますが、扱いとしては法定通貨ではなく、資産の一種となっています。

現時点では、仮想通貨は金融商品取引法によって有価証券と定められていません。2014年の首相答弁でも、仮想通貨は有価証券ではないと明言されています。

簡単に説明すると、仮想通貨は財産的な価値がある「モノ」という扱いなのです。お金として法的に認められているわけでもなければ、有価証券でもないという、あいまいな立場に置かれているのです。

参考:ビットフライヤー「教えて!仮想通貨法」

有価証券は金融商品取引法の規制対象に!

仮想通貨が有価証券ではない状況が将来にわたって続くのかというと、そうとも言い切れません。金融庁が仮想通貨の有価証券化について、議論を進めているからです。

2018年4月に行われた金融庁の「仮想通貨交換業等に関する研究会」の第2回会合では、仮想通貨を投機取引する場合には、有価証券に適用することを検討すべきだと提案されているのです。

仮想通貨の有価証券化が提案されたからといって、実現するかどうかについては未知数です。ただし、仮想通貨が有価証券になったケースを想定した方がいい状況になってきたのも確かなのです。

カネット XXX(表情名入力)カネット

現在の仮想通貨は「お金でもなければ有価証券でもない」というあいまいな立場なんだけど、その定義がずっと保たれるとは考えにくいよネ?

モナちゃん XXX(表情名入力)モナちゃん

仮想通貨界隈の規制もどんどん進められているもんね。有価証券化もほんの少し現実味を帯びているってことかしら…。

金融商品取引法とは?仮想通貨にどういう影響がある?

仮想通貨が有価証券化された場合には、金融商品取引法の規制を受けることになります。この金融証券取引法とはどのようなもので、具体的にどのような規制があるのでしょうか。

金融商品取引法とは?

上にも書きましたように、有価証券として認められるためには、金融証券取引法によって定められる必要があります。仮想通貨が有価証券化される際には、法改正を行わなければなりません。

かつては証券取引法という名称でしたが、2006年の法改正によって証券以外の金融商品への規制を含む金融証券取引法となり、現在に至っています。

株式をはじめとする有価証券が公正に取引されることを目的とした法律で、有価証券を発行する機関や、取引を行う機関・個人に対して、さまざまな規制が定められています。

金融商品取引法の規制対象・内容は?

まず、金融商品取引法の規制対象としては、取引などに関する参入規制が挙げられます。具体的には、国から認められた機関でなければ、参入できないのです。

例えば、実際に株式の取引を行っている東京証券取引所のような金融商品取引所の運営には、国の免許が必要です。有価証券を取り扱う銀行や証券会社は、国への登録が必要となります。

会社が株式を発行する際には、有価証券届出書目論見書の発行が必須となります。また、株式を購入する側も、全体の5%を超える場合には大量保有報告書の提出が義務付けられているのです。

仮想通貨でいえば、リップルは現在、過半数をリップル社が保有しています。有価証券化して日本市場で取引されれば、リップル社には大量保有報告書の提出義務が生じる可能性があります。

また、株価を操作するための風説の流布禁止や、株価を左右する情報を事前に知っている個人によるインサイダー取引の禁止なども、金融商品取引法によって定められているのです。

会社役員などは、株価につながる情報を事前に知っている可能性があり、インサイダー取引を規制していないと株式市場が不健全になりかねません。法律によって、これを防いでいるというわけです。

一方、有価証券化されていない仮想通貨は、インサイダー取引が禁止されていません。ビットフライヤーのリスク上場の際には、インサイダー取引を行ったというTwitterの書き込みがあったぐらいです。

モナちゃん XXX(表情名入力)モナちゃん

有価証券化によって、規制がさらに強固なものになるかもしれないってことなのね。

カネット XXX(表情名入力)カネット

とはいえ、世間に完全に浸透することを目指しているならば、しっかりと整備する必要もあるんだヨネ。

サトシくん XXX(表情名入力)サトシくん

でも、もし仮想通貨が有価証券に分類されたら、何が変わるの?

仮想通貨が有価証券に当てはまると何が起こる?メリットとデメリットは?

ここでは、仮想通貨が有価証券化されたときに生じるメリットとデメリットについて確認していきましょう。

メリット

まずは、仮想通貨が有価証券化されるメリットから見ていきます。

投資家の新規参入

現状では仮想通貨投資を行っている人は、必ずしも多くありません。2017年12月時点で、国内のビットコインの所有者は100万人前後とされています。

一方、東証は国内で株式投資を行っている人について、2017年時点では延べ4,967万人としています。1人で複数の証券口座を持っている人も多いでしょうが、それでも1,000万人を超える計算になるのです。

仮想通貨が有価証券化されると、銀行や証券会社などでも取引できるようになります。すると、株式投資を行っている人が、仮想通貨投資に流入してくる可能性が高いのです。

仮に1割程度の人が参入してきたとしても、仮想通貨取引の市場規模は現在の2倍に膨れ上がります。

そして、2割の人が参入してきたなら、仮想通貨の市場規模は3倍にもなるのです。

現在の数倍の人が仮想通貨投資を行うようになれば、市場はより活性化します。それぞれの通貨の価格も上昇するでしょう。

インサイダー取引が規制される

上でも説明してように、リスクのビットフライヤー上場にまつわる話は、株式投資ならインサイダー取引になる可能性があります。これについて、もう少し詳しく説明しましょう。

リスクは2018年1月31日にビットフライヤーでの取引が可能になりました。そのとき、ビットフライヤーがこれを発表した直後、価格は暴騰。。下のチャートでも、1月31日に価格が急騰しているのが確認できますよね。

ところが、このときにTwitterで「この情報をかなり前から知っていたので大儲けした」とつぶやいた人物がいて騒ぎとなったのです。

Twitterでの書き込みが事実であるという保証は全くありません。しかし、仮にこれが株式市場ならばインサイダー取引として処罰対象となりかねない行為です。

ところが、仮想通貨は有価証券ではないため、インサイダー取引は禁止されていません。正確には、こうした行為がインサイダー取引だと認定すらされていないのです。

仮想通貨が有価証券化されると、Twitterのつぶやきが事実ならば、確実にインサイダー取引として罰せられることになります。

つまり、仮想通貨が有価証券化されインサイダー取引が禁止されれば、仮想通貨市場の健全化につながるのです。その結果、仮想通貨投資により多くの投資家を呼び込むことも見込めるでしょう。

デメリット

仮想通貨の有価証券化は、メリットだけでなくデメリットもあります。確認していきましょう。

取引所で仮想通貨が買えなくなる

金融証券取引法では、有価証券の取引は金融証券取引所など、国から免許を与えられた機関でなければできません。証券会社なども、東証をはじめとする金融証券取引所で有価証券を取引しています。

これに対して、仮想通貨交換業はあくまでも国への登録制であって、免許を与えられているわけではありません。そのため、仮想通貨取引所で有価証券の取引が行える免許を持っている例は皆無です。

もし仮想通貨が有価証券化されれば、仮想通貨取引所での購入はできなくなってしまいます。現時点では東証などから購入する以外の方法しかなくなってしまいます。

仮想通貨取引所は年中無休の24時間営業です。これに対して、金融証券取引所は休業日があり、営業時間も限られています。仮想通貨取引所が使えなくなると、取引時間に制限ができ、不便になる可能性もあるのです。

サラリーマンやOL、学生にとっては、好きな時間帯に取引できるのも仮想通貨投資のメリットでした。しかし、有価証券化によってこのメリットが失われる可能性があるのです。

ICOがほとんど買えなくなる

ICO(イニシャル・コイン・オファリング)は、企業がプロジェクトを立ち上げるための資金集めを、仮想通貨によって行うことです。日本語では「新規仮想通貨公開」と呼ばれています。

出資するとトークンという、新たな仮想通貨として利用することができる出資証のようなものがもらえます。以下の図のような仕組みになっています。

トークン

問題はこのICOが、米国内で「違法」という見解があることです。SEC(米証券取引委員会)は2018年2月、米上院銀行委員会で「ICOは有価証券だが、SECに登録されておらず違法」と証言しています。

米国において有価証券は、SECに登録されている必要があります。ICOのトークンは有価証券であるにもかかわらず、登録されていないため違法という見解です。

SECではICOについて、ビットコネクトやマンチーに対して法律違反を理由に停止命令を出すなど、規制強化の方向にあります。

日本でも仮想通貨が有価証券と認められれば同様のことが起きる可能性があり、下手をすればICOのトークンがほとんど購入できなくなる可能性もあるのです。

サトシくん XXX(表情名入力)サトシくん

有価証券化によって取引所が使えなくなっちゃう可能性があったり、ICOも規制される可能性があるのかぁ。

モナちゃん XXX(表情名入力)モナちゃん

メリットも多いけど、24時間取引ができないといったデメリットもあるから、取引にも影響しそうよね。

カネット XXX(表情名入力)カネット

そうダネ。ICOによって手軽に資金調達ができなくなったりすると、企業の成長にも影響するかもしれなイ。とにかく現時点ではまだ未定な部分ではあるから、今後の動向に注目しておこウ!

法改正で仮想通貨が有価証券になる可能性はある

では、日本において金融証券取引法が改正され、仮想通貨が有価証券になる可能性はあるのでしょうか。これについては金融庁で検討が行われている以上、イエスとしか答えようがありません。

金融商品取引法は頻繁に改正されている

そもそも有価証券について定めている金融商品取引法自体が、1947年に証券取引法として制定されて以来、10回を超える改正が行われているのです。2年続けて改正されたケースもあります。

つまり、法律の中でも比較的頻繁に改正されているものだと言えます。現在行われている有価証券化の検討結果によっては、短期間で改正に至る可能性も想定しなければならないということです。

日本でも一部のICOは有価証券の扱いとなる

現時点では、日本ではICOによって発行された仮想通貨(トークン)の多くは、有価証券として扱われていません。

ただし、その仮想通貨から配当や収益が発生する場合は、有価証券として扱われるケースもあります。

法律関係者は配当や収益が発生するトークンについて「ファンドに当たるため、有価証券として金融商品取引法の規制対象となる可能性がある」と指摘しています。

しかし、その場合でも「ファンドは他人から金銭を集めるもの」という定義が引っ掛かるという指摘もあります。仮想通貨は金銭には当たらず、必然的にファンドにも当たらないという見方があるためです。

現時点では配当や収益がなければ有価証券として扱われない。配当や収益があれば有価証券として扱われる可能性があると考えてよさそうです。

仮想通貨が有価証券になる可能性はある

仮想通貨は株式などと違い、有価証券として扱われていません。そのため、インサイダー取引禁止のような規制もなく、大量保有していることを公表する必要もないのです。

しかし、金融庁では仮想通貨の有価証券化が検討されています。また、ICOによって発行された一部の仮想通貨は、すでに有価証券として扱われています。

このようなことを考えると、将来的に仮想通貨が有価証券となる可能性もゼロではありません。

仮想通貨が有価証券化されると、取引などにも影響が出ます。この記事で紹介したことを参考に、対策を考えておくといいでしょう。